[続]愛しき人
実家に戻り、暮らしてから、一週間が経過したが、俊哉から連絡はなかった。

俊哉とはすれ違いの生活を送っていたから、
私がいなくなったことに気がついていないようだった…

でも、仕事が休みの今日は気がつくだろう…


案の定…お昼過ぎ…私の携帯が鳴った。
でも出なかったというより、出れなかった…声が出ないから…


俊哉は一之瀬の実家に電話をしてきた。実家では俊哉のことで大変なことになっているとも知らずに…

「美咲は、ずっとうちで預かっている。今日まで美咲がいないことに気がつかないとは愚かな男だな君は…
これからのことはこちらでも考えさせてもらうよ。すべての関して」

父は、俊哉に言っていた・・・

すべての関して・・・とは多分仕事のこともだろう・・・

父は仕事に関しては鬼のような人間だった。
人間相手にするのが社長なのだから、信用できない人間とは一切の取引を打ち切るという人だ。
それがどんなに親しい人間でも。
社長としての覚悟なのだろう。

父の経営はそういう感じ・・・


今回のことで、何かが大きく動き出しているように感じた。
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