ケンカ+理解×大好き=友情

「けど、ナルミにはビックリした!

ああいうナルミ、初めてだったもん!」

ミサキは、ユナちゃんを責めた私に感心している。

「ナルミって、今までケンカの仲裁役が当たり前って感じで、誰かにキツイこと言うなんてなかったし」

「うん、そだね」

「気の長いナルミでも、さすがに今日のことは許せなかったかぁ」

ミサキはウンウンとうなずいて言った。

空を見ていたあっちゃんも、私の方を向く。


「前にミサキが言ってたことの意味がやっと分かったよ。

私、最低なやつだった……。

傷つきたくなくて、人との衝突を避けてただけ……」

「そんな、考え過ぎだって。

この前は私が言い過ぎただけ。

冷静で誰にでも公平なのは、ナルミのイイトコじゃん」

ミサキは思いやるような声で言ってくれた。

「ありがとう……。

でも、私、今回のことで自分の悪いとこ·弱いとこが見えたんだ。

ミサキにハッキリ『中立は嫌われる』って言われてなかったら……あっちゃんと友達になってなかったら……そういう大切なこと、ずっと見過ごしたままだった」

あっちゃんは私に言った。

「俺も、なっちゃんと出会って気付いたことたくさんあったよ。

自分のことより人のことを優先してるなっちゃんに、どれだけ励まされたか分かんない。

なっちゃんはいつも、俺とみいちゃんのために、いろいろ力になってくれてたじゃん。

そうやって、自分の長所を短所にすることないよ」

「あっちゃん、クサッ!!

さっきから、かっこつけすぎ!」

ミサキが笑って突っ込んだ。

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