ケンカ+理解×大好き=友情

「ホントだな。今日の俺、バカみたいにかっこつけてる」

和やかだったあっちゃんの声は、寂しげに震え始めた。

おちゃらけていたミサキも、あっちゃんの言葉で元気をもらった私も、無言になる。

「あんなカッコ悪いフラれ方したんだ。最後にカッコつけとかなきゃ、立ち直れないじゃん?

ユナの記憶に、カッコ悪い姿で残りたくなかったし」

あっちゃんの頬は、強い雨に降られたように濡れている。

そこに月の光が反射し、チカッときらめく。

私とミサキは、あっちゃんの涙に気付いていないフリをした。


「……ユナ、ものすごく寂しがりなんだ。

小さい時に父親が亡くなってからは、母親と2人で暮らしてたんだって。

ユナが中学に入った頃、お母さんは実業家の男と再婚して金銭的に恵まれた環境になったんだけど、義父になった男も母親も、ユナのことほったらかしで、全然かまってなかったみたい。

金はあるし、高校も好きな所に行かせてもらえたらしいけど、家では1人が当たり前の生活で。

そんな時にマナツに出会って、孤独感がなくなったって言ってた……」

「ユナにも可哀相なとこはあるかもしんないけど、だからって、二股なんてありえないって!

ユナは、最初からあっちゃんのこと何とも思ってないのに近付いてきたんだよ?

普通にムカつく!!」

ミサキは、ユナちゃんと対面した時のように言葉のすみずみに熱を込めて言った。

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