リスタート ~最後の恋を始めよう~ 【前編】
君島の下にいる主任の大塚は、明子や牧野とは、一応、同期という立場になる。
年は牧野と一緒なのだが、専門学校を卒業して就職した大塚は、二年ほど同業他社で働いたのち、明子たちより遅れること四か月後に中途採用されて入社した。
その当時から、大塚と牧野は、とにかく、仲が悪かった。
入社当時の大塚は、自分には実務経験があるということで、同期の者たちにも先輩風を吹かせるところがあった。
ところが、大塚のそんな先輩風など、牧野とってはそよ風にもならない風で、大塚の仕切りで始まったことが、いつのまにか、牧野の仕切りで進められていたなどということが、よくあった。
それが、大塚には面白くなかったらしい。
ことあるごとに牧野と対立するようになり、牧野が同期たちの先頭に立つようになると、あの手この手を使って、牧野をその座から引きずり落とそうと画策した。
その嫌がらせにも等しい、あからさまな言動には、明子ですら嫌悪感を感じ、ため息が吐いてでるほどだった。
けれども、皮肉なことに、その言動が大塚を窮地に追いやり、結果的に牧野が大塚を助けるといった出来事が起こってしまった。
大塚も、そこに至ればさすがに態度を改め、そのまま牧野と和解するかと思いきや、さにあらず。
いっそう、意固地に牧野を敵対するようになった。
牧野は牧野で、そんな大塚をそれ以降、蛇蝎のごとく嫌っている。
(まあ、牧野の気持ちも、判らないこともないけどね)
(大塚さん、ホントに、牧野さんに対しては根性悪いしね)
(上手くやれれば、あんがい、いいコンビになれるのに)
(ホントに、もう、バカなんだから)
(残念過ぎるわ)
明子も、この件ばかりは、天敵の牧野に加勢するしかなかった。
年は牧野と一緒なのだが、専門学校を卒業して就職した大塚は、二年ほど同業他社で働いたのち、明子たちより遅れること四か月後に中途採用されて入社した。
その当時から、大塚と牧野は、とにかく、仲が悪かった。
入社当時の大塚は、自分には実務経験があるということで、同期の者たちにも先輩風を吹かせるところがあった。
ところが、大塚のそんな先輩風など、牧野とってはそよ風にもならない風で、大塚の仕切りで始まったことが、いつのまにか、牧野の仕切りで進められていたなどということが、よくあった。
それが、大塚には面白くなかったらしい。
ことあるごとに牧野と対立するようになり、牧野が同期たちの先頭に立つようになると、あの手この手を使って、牧野をその座から引きずり落とそうと画策した。
その嫌がらせにも等しい、あからさまな言動には、明子ですら嫌悪感を感じ、ため息が吐いてでるほどだった。
けれども、皮肉なことに、その言動が大塚を窮地に追いやり、結果的に牧野が大塚を助けるといった出来事が起こってしまった。
大塚も、そこに至ればさすがに態度を改め、そのまま牧野と和解するかと思いきや、さにあらず。
いっそう、意固地に牧野を敵対するようになった。
牧野は牧野で、そんな大塚をそれ以降、蛇蝎のごとく嫌っている。
(まあ、牧野の気持ちも、判らないこともないけどね)
(大塚さん、ホントに、牧野さんに対しては根性悪いしね)
(上手くやれれば、あんがい、いいコンビになれるのに)
(ホントに、もう、バカなんだから)
(残念過ぎるわ)
明子も、この件ばかりは、天敵の牧野に加勢するしかなかった。