リスタート ~最後の恋を始めよう~ 【前編】
「入院を長引かせたのは、手柄話を派手に演出するためだと思います。そこで、満足しとけば良かったのに、牧野さんは、ここに出入りできないみたいだなんて話を、木村から聞いたもんだから、だったら、困らせて恥をかかせてやれなんて了見を起こして、牧野さんに売るだけ無駄なケンカを売って。それで、こんな形で、せっかくの計画台無しにしちゃって。なんだかなあって」
そうだよねえと、明子はただ乾いた笑いを零すだけだった。
「野木主任や森口さんにメールしてみたら、課長の葬儀の件なら連絡は来たけど、今日の打ち合わせの話なんて、なにも聞いてないって。野木主任なんか、小杉さんが出るって話しを誰かから聞いたらしくて、なんでわざわざ余所の主任が出張ってくるんだって怒ってたんで、隠してもしょうがないから、吉田係長がそう頼んだそうですって正直に教えちゃいました。さすがに、呆れてました。こっちの仕事が片付いたら入ることになる仕事なのに、それをそんなふうに他所に押し付けて、あの人はいったい何を考えてんだって」
その言葉に、明子はようやく安堵の息をついた。
(うん)
(野木主任。あなたが正しいです)
(それが正しい思考回路よ)
(お願いだから、おバカ二人に染められることなく。そのまままっすぐ育ってね)
同じチームの川田とは同期となる野木の顔を思い浮かべ、思わず、心の中でそう合掌しながら、なにを聞かされてもため息しか出てこない話に、明子はげんなりとなった。
そうだよねえと、明子はただ乾いた笑いを零すだけだった。
「野木主任や森口さんにメールしてみたら、課長の葬儀の件なら連絡は来たけど、今日の打ち合わせの話なんて、なにも聞いてないって。野木主任なんか、小杉さんが出るって話しを誰かから聞いたらしくて、なんでわざわざ余所の主任が出張ってくるんだって怒ってたんで、隠してもしょうがないから、吉田係長がそう頼んだそうですって正直に教えちゃいました。さすがに、呆れてました。こっちの仕事が片付いたら入ることになる仕事なのに、それをそんなふうに他所に押し付けて、あの人はいったい何を考えてんだって」
その言葉に、明子はようやく安堵の息をついた。
(うん)
(野木主任。あなたが正しいです)
(それが正しい思考回路よ)
(お願いだから、おバカ二人に染められることなく。そのまままっすぐ育ってね)
同じチームの川田とは同期となる野木の顔を思い浮かべ、思わず、心の中でそう合掌しながら、なにを聞かされてもため息しか出てこない話に、明子はげんなりとなった。