リスタート ~最後の恋を始めよう~ 【前編】
「ねえ。さっき、何気にさらっと、大塚さんに出入り禁止のネタを話したのは、木村くんとかって言った?」
お願い。聞き間違いであってという明子の願いも空しく、沼田は明子の問いかけに、しっかりと首を縦に振りこくんと頷いた。
その頷きが止めとなって、フリーズしてしまった明子のその様子に、沼田は説明が足りていないと思ったのか、慌ててそのときのことを話し出した。
「この打ち合わせが始まったころ。昼飯食ってるときに、調子はどうだって牧野さんに聞かれて。ちょっと難航してますって答えたら、牧野さん『そっか。俺が手伝ってやれればいいんだけどな。俺はあそこに顔を出せねえからな』って。そのときは特に木村も気にしてなかったんですけど、なにかの拍子にそれを思い出しちゃって、大塚主任に聞いちゃったんですよ。そういえば、牧野課長がそんなことを言ってたんですけど、なんで顔をだせないんですかねえって」
沼田からの事情説明に、明子は頭を抱えたくなった。
(木村くんっ)
(人生最大の、人選ミスよっ)
(それはっ)
明子はもう限界だというように、机に顔を伏せた。
お願い。聞き間違いであってという明子の願いも空しく、沼田は明子の問いかけに、しっかりと首を縦に振りこくんと頷いた。
その頷きが止めとなって、フリーズしてしまった明子のその様子に、沼田は説明が足りていないと思ったのか、慌ててそのときのことを話し出した。
「この打ち合わせが始まったころ。昼飯食ってるときに、調子はどうだって牧野さんに聞かれて。ちょっと難航してますって答えたら、牧野さん『そっか。俺が手伝ってやれればいいんだけどな。俺はあそこに顔を出せねえからな』って。そのときは特に木村も気にしてなかったんですけど、なにかの拍子にそれを思い出しちゃって、大塚主任に聞いちゃったんですよ。そういえば、牧野課長がそんなことを言ってたんですけど、なんで顔をだせないんですかねえって」
沼田からの事情説明に、明子は頭を抱えたくなった。
(木村くんっ)
(人生最大の、人選ミスよっ)
(それはっ)
明子はもう限界だというように、机に顔を伏せた。