リスタート ~最後の恋を始めよう~ 【前編】
「君島さんからは、打ち合わせは延期してくれと言われていたんだ。こっちが片付いたら、それは自分が片をつけるってな。だから、吉田係長の件を伝えたら驚いてな。目を離した隙に、なんかバカをやらかそうとしてるみたいだなってな」
親の監視が必要な子どもじゃあるまいしと、明子はその言葉に肩を落として落胆した。
そんな明子に、牧野も顔をしかめて全くだと同意した。
「お前まで巻き込んですまないって言われて。久しぶりに、本気で、あいつにぶち切れたよ。きっちり叩き潰してやるってな。それで、部長に今日の打ち合わせの件の承諾を貰おうとしたら、お前が出て行って仕切ってきてもアレは堪えんだろうと笑ってな。いい機会だから、小杉を行かせろと言われた」
ようやく出てきた自分の名に、それでも明子は腑に落ちないというように首を傾げた。
「なんで、そこで、私ですか?」
「正直。理由は尋ねてない。ただ、例のデカいプロジェクト云々の話があったからな。立ち上げ時から入るって事は、上流フェーズを任せるってことだろうから、勉強させとけってことかってな。いい機会だからっていうのは、そういう意味だろうと、俺は判断した。まあ、吉田係長が言うほど、ひどい状況じゃないってことは、沼田から聞いて判ったしな。吸い上げもできているようだったし。まあ、勉強させるのに放り込むのも、いいかもなと」
「それならそうって、最初から素直に話してくださいよ。面倒な作り話しないで」
延々と聞かされたあの話はなんだったんだと、明子は呆れるしかなかった。
そんな明子に、牧野は楽しそうに問いかけた。
親の監視が必要な子どもじゃあるまいしと、明子はその言葉に肩を落として落胆した。
そんな明子に、牧野も顔をしかめて全くだと同意した。
「お前まで巻き込んですまないって言われて。久しぶりに、本気で、あいつにぶち切れたよ。きっちり叩き潰してやるってな。それで、部長に今日の打ち合わせの件の承諾を貰おうとしたら、お前が出て行って仕切ってきてもアレは堪えんだろうと笑ってな。いい機会だから、小杉を行かせろと言われた」
ようやく出てきた自分の名に、それでも明子は腑に落ちないというように首を傾げた。
「なんで、そこで、私ですか?」
「正直。理由は尋ねてない。ただ、例のデカいプロジェクト云々の話があったからな。立ち上げ時から入るって事は、上流フェーズを任せるってことだろうから、勉強させとけってことかってな。いい機会だからっていうのは、そういう意味だろうと、俺は判断した。まあ、吉田係長が言うほど、ひどい状況じゃないってことは、沼田から聞いて判ったしな。吸い上げもできているようだったし。まあ、勉強させるのに放り込むのも、いいかもなと」
「それならそうって、最初から素直に話してくださいよ。面倒な作り話しないで」
延々と聞かされたあの話はなんだったんだと、明子は呆れるしかなかった。
そんな明子に、牧野は楽しそうに問いかけた。