リスタート ~最後の恋を始めよう~ 【前編】
いつまでもここにはいない連中に憤慨していても仕方がないとため息を吐き、録画した番組を見ようと、リモコンを手にして明子は思い直した。
(金曜日まで、封印しよう)
(バカみたいだけど、願掛けだ)
(ブレゼンが、うまくいきますようにって、願をかけよう)
ふいに、そんなことを思いつき、テーブルに張り付けた切り抜きに、明子は手を合わせた。
(金曜まで、あなたたちに会うことを、我慢します。はい)
(だから、どうか、このプレゼンを、成功させてください)
(沼田くんに、胸を張って誇れるような、そんなプレゼンをさせてあげてください)
(でもって、諸悪の根元、大塚メを、いっぱつがつんと凹ませてください)
(そして、金曜の夜は、私にもご褒美のアイスクリームを食べさせて!)
(コンビニで売っている<小さいカップなのに、ガリガリくんなら三本、四本は買えてしまいそうな、ちょっとリッチな気分になれる、あのアイスクリームを食べながら、あなたたちと一緒に、お茶会をさせてください)
(どうか、どうか、お願いします)
彼らに祈ったところで、しょうがないことなのだけれど。
だいたい、我慢するは明子の勝手で、彼らに強制されたわけではない。
というか、願いの後半部分は、すでにブレゼンのことですらない。
神頼みするにしても、頼む相手を間違え過ぎだ。
そんなことは、明子自身も判ってはいたが、とりあえず、この際、縋れそうなものにはなんでも縋っておけと、明子は手を合わせた。
(よし!)
(気合の腹筋とスクワット、それから腕立て伏せだ)
(明日も、がつがつとパソコンと格闘だ)
(うん。やるよ、あたし)
そんな気合を入れながら、明子は腹筋を始めた。
(金曜日まで、封印しよう)
(バカみたいだけど、願掛けだ)
(ブレゼンが、うまくいきますようにって、願をかけよう)
ふいに、そんなことを思いつき、テーブルに張り付けた切り抜きに、明子は手を合わせた。
(金曜まで、あなたたちに会うことを、我慢します。はい)
(だから、どうか、このプレゼンを、成功させてください)
(沼田くんに、胸を張って誇れるような、そんなプレゼンをさせてあげてください)
(でもって、諸悪の根元、大塚メを、いっぱつがつんと凹ませてください)
(そして、金曜の夜は、私にもご褒美のアイスクリームを食べさせて!)
(コンビニで売っている<小さいカップなのに、ガリガリくんなら三本、四本は買えてしまいそうな、ちょっとリッチな気分になれる、あのアイスクリームを食べながら、あなたたちと一緒に、お茶会をさせてください)
(どうか、どうか、お願いします)
彼らに祈ったところで、しょうがないことなのだけれど。
だいたい、我慢するは明子の勝手で、彼らに強制されたわけではない。
というか、願いの後半部分は、すでにブレゼンのことですらない。
神頼みするにしても、頼む相手を間違え過ぎだ。
そんなことは、明子自身も判ってはいたが、とりあえず、この際、縋れそうなものにはなんでも縋っておけと、明子は手を合わせた。
(よし!)
(気合の腹筋とスクワット、それから腕立て伏せだ)
(明日も、がつがつとパソコンと格闘だ)
(うん。やるよ、あたし)
そんな気合を入れながら、明子は腹筋を始めた。