リスタート ~最後の恋を始めよう~ 【前編】
「で、専務が見合いの話を牧野に持ってきてな。常務のお嬢さんと、どうだって。まあ、普通に考えりゃ、受けるのが当然みたいな話なんだろうけど、でも、牧野は断ったんだ。『もう見合いは懲りました。結婚も、前ので懲りました。しばらくは考えていません』ってな。アレの前のカミさんの話、聞いているんだろ?」
「まあ……、チャラチャラっと。掻い摘まんで」
「あいつにとっちゃ、今のところ、見合いも結婚も、嫌な思い出なんだろうな。ホントに嫌そう顔して断っててな、専務もこれは無理だと思ったらしくて諦めたんだけどな、ヒメさんは諦めきれなかったらしい。見合いがダメなら、同じ職場で働きたいと、ごねたんだとさ」
「働いて、いるんですか、あれ?」
明子の言葉に、お前も段々牧野の毒舌が移ってきたんじゃないかと、小林は笑った。
その言葉に、明子は盛大に頬を膨らませて抗議した。
「やめてくださいよ。ますます嫁にいけなくなるじゃないですか」
「安心しろ。牧野に責任とらせるから」
「なにを言ってるんですか。相手にすらしませんよ、私なんか。あちら様は、選り取り見取りで、いいお嬢さんを選び放題なのに」
ディスプレイを見つめたまま、そんなことをさらりと言う明子に、小林が舌打ちしながら何事かを呟いた。
「なんですか?」
「ん? いや。別に。こっちの話だ」
訝しげに首を傾げる明子に、小林は「なんでもねえよ」と誤魔化して、話の先を続けた。
「まあ……、チャラチャラっと。掻い摘まんで」
「あいつにとっちゃ、今のところ、見合いも結婚も、嫌な思い出なんだろうな。ホントに嫌そう顔して断っててな、専務もこれは無理だと思ったらしくて諦めたんだけどな、ヒメさんは諦めきれなかったらしい。見合いがダメなら、同じ職場で働きたいと、ごねたんだとさ」
「働いて、いるんですか、あれ?」
明子の言葉に、お前も段々牧野の毒舌が移ってきたんじゃないかと、小林は笑った。
その言葉に、明子は盛大に頬を膨らませて抗議した。
「やめてくださいよ。ますます嫁にいけなくなるじゃないですか」
「安心しろ。牧野に責任とらせるから」
「なにを言ってるんですか。相手にすらしませんよ、私なんか。あちら様は、選り取り見取りで、いいお嬢さんを選び放題なのに」
ディスプレイを見つめたまま、そんなことをさらりと言う明子に、小林が舌打ちしながら何事かを呟いた。
「なんですか?」
「ん? いや。別に。こっちの話だ」
訝しげに首を傾げる明子に、小林は「なんでもねえよ」と誤魔化して、話の先を続けた。