リスタート ~最後の恋を始めよう~ 【前編】
「あの、お取り巻きみたいな若い子たちって、なんなんですか?」

落ち込みそうな気分を払拭しようと、明子は事のついでだと言うように、兼ねてより不思議に思っていた、いつも美咲を取り囲んでいる五人の若手社員たちのことを尋ねた。
ランチ仲間の後輩たちに尋ねても、友達らしいですよと言うだけで、詳しいことは話してはくれなかった。
明子の問いかけに、小林は口をへの字に曲げながら彼らのことも話し出した。

「女子二人と、新藤っていう一課の若いのは、ヒメの学生時代からの遊び仲間らしい。ヒメが父親に頼んで、その口利きで、ヒメと一緒にウチにきた」
「誰か、まずは常務を、懲らしめてくれませんかね。そりゃ、縁故入社は今までにもありましたけど」

はあっと、大きなため息を吐く明子に、「なあ、うんざりだろう。いくらなんでも、あれはひどすぎるよなあ」と、小林もため息を吐いた。

「一課の安藤と坂下は、なんか新藤と気があったらしくてな。いつの間にか、ヒメのお取り巻きになっちまった。ヒメが来るまでは、もう少し、マシな連中だったんだけどな、あれでも」

困った連中だよとこぼしながら、小林は何か思い出したように、明子に尋ねてきた。

「そういや、女子更衣室。雰囲気が悪いんだって? ヒメたちが先輩に逆らって、荒らしているって評判だぞ」

小林の問いかけに、それも小林の耳に入るほどの噂になっているのかと、明子はため息混じりに肩を落としながら、仕方がないと話し始めた。
< 251 / 1,120 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop