リスタート ~最後の恋を始めよう~ 【前編】
また、甘えるなと突き放されるのかなと、明子は体を硬くして身構えた。
なにも言わない牧野を顔を、見るのが怖かった。
呆れているのだろうか。
怒っているのだろうか。
笑っているのだろうか。
考えるだけで、明子は怖かった。
いつだって、怖かった。
怖いから、牧野の反応を見る前に、自分が先に動いて喋って、牧野と向き合うことから逃げてきた。
牧野が、なにか言葉を発しようとしている気配に、明子はまた体を竦ませる。
「あいつら、まだそんなこと言ってるのか。ふざけやがって」
小さく舌を打ち、忌々しそうに牧野はそう吐き出した。
思ってもいなかったその言葉に、明子は驚いたように顔を上げ、牧野の顔を見た。
表情からは、それほどの怒りは感じられないけれど、黒にも似た真っ赤な怒りが、その声にはあった。
本気で怒ったときの、牧野の声だった。
「気にすんな。放っておけ」
「……、笑い飛ばせることならも、気にもならないけど、私には、笑い飛ばせないし」
「飛ばしちまえって。らしくねえな。自信持てよ」
そう言われても、明子はそれに頷けなかった。
自信が、ないから。
持てるような自信など、なに一つ、ないから。
なにも言わない牧野を顔を、見るのが怖かった。
呆れているのだろうか。
怒っているのだろうか。
笑っているのだろうか。
考えるだけで、明子は怖かった。
いつだって、怖かった。
怖いから、牧野の反応を見る前に、自分が先に動いて喋って、牧野と向き合うことから逃げてきた。
牧野が、なにか言葉を発しようとしている気配に、明子はまた体を竦ませる。
「あいつら、まだそんなこと言ってるのか。ふざけやがって」
小さく舌を打ち、忌々しそうに牧野はそう吐き出した。
思ってもいなかったその言葉に、明子は驚いたように顔を上げ、牧野の顔を見た。
表情からは、それほどの怒りは感じられないけれど、黒にも似た真っ赤な怒りが、その声にはあった。
本気で怒ったときの、牧野の声だった。
「気にすんな。放っておけ」
「……、笑い飛ばせることならも、気にもならないけど、私には、笑い飛ばせないし」
「飛ばしちまえって。らしくねえな。自信持てよ」
そう言われても、明子はそれに頷けなかった。
自信が、ないから。
持てるような自信など、なに一つ、ないから。