リスタート ~最後の恋を始めよう~ 【前編】
「俺は、お世辞でも、よくないものをよかったなんて言ってやれることはできないし、この仕事に向いてないやつに、向いているからやれなんて言うこともできない。相手がぐっさり傷つくことが判っていても、ダメなやつにはダメを言う。お前はダメだって、はっきり言う。傷つけることなんか、怖くないからな。そういうヤツだ。俺は。知ってるだろ?」
牧野の問いかけに、今度はもう少し大きく、明子は首を振って頷いた。
自分のこと、よく判ってるじゃないですか。
いつもな明子なら、そんな軽口を叩いて牧野のことを笑っているだろう。
そんなことすら言えないほど、あの連中のくだらない中傷に、明子が傷ついているということにやっと気付いた牧野は、だから、必死に明子に掛ける言葉を探した。
「なら、自信もって仕事しろよ。大丈夫。お前、ちゃんと仕事できてるから。人に笑われなきゃならないような、そんな不様な仕事、してないから。俺が知ってるから。だから、自信もってくれよ。仕様も書けないようなやつだなんて言われて黙ってないで、ガツンと言い返してやれ」
「黙ってたわけじゃありませんけど。仕様書をまだ読むこともできない子が、なにを言っているんだって、そう言い返してやりましたけど」
少し、元気になったようなその声に、牧野はけらけらと笑った。
牧野の問いかけに、今度はもう少し大きく、明子は首を振って頷いた。
自分のこと、よく判ってるじゃないですか。
いつもな明子なら、そんな軽口を叩いて牧野のことを笑っているだろう。
そんなことすら言えないほど、あの連中のくだらない中傷に、明子が傷ついているということにやっと気付いた牧野は、だから、必死に明子に掛ける言葉を探した。
「なら、自信もって仕事しろよ。大丈夫。お前、ちゃんと仕事できてるから。人に笑われなきゃならないような、そんな不様な仕事、してないから。俺が知ってるから。だから、自信もってくれよ。仕様も書けないようなやつだなんて言われて黙ってないで、ガツンと言い返してやれ」
「黙ってたわけじゃありませんけど。仕様書をまだ読むこともできない子が、なにを言っているんだって、そう言い返してやりましたけど」
少し、元気になったようなその声に、牧野はけらけらと笑った。