リスタート ~最後の恋を始めよう~ 【前編】
「なんだよ。よく判ってるじゃないか」
「だって……、そんなの、ただの負け惜しみで言っただけだし」
「あのな。若い連中が、お前がここに異動してきてすぐのころ、お前のこと、あれこれいろいろと言ってたのは、俺も知ってたよ。聞かされたしな」
まだ、いつもの小杉明子へ復活するには言葉が足りないのかとでもいうように、息を吐いた牧野は、仕方ないヤツだなと笑いながら、言葉を続けた。
「どうしたものかと思ってたけど、木村がすぐに気づいた。小杉主任、すげーって」
木村独特のすげーっという言い回しを真似る牧野に、明子もくすりと笑う。
「あれこれ言ってる連中に、木村が言って聞かせたんだ。あの人はすごい人だぞってな」
木村の人を元気にする笑顔が、明子の脳裏に浮かんだ。
沼田も、同じようなことを言っていたことも、思い出す。
じんわりと滲み出す視界に、明子は慌てて天を見上げた。
「今、お前のことをあれこれと言ってるバカなんて、あのお嬢様たちくらいだって。だから、自信をもてって」
こみ上げてきた熱いものを、明子は鼻を鳴らして誤魔化した。
「だって……、そんなの、ただの負け惜しみで言っただけだし」
「あのな。若い連中が、お前がここに異動してきてすぐのころ、お前のこと、あれこれいろいろと言ってたのは、俺も知ってたよ。聞かされたしな」
まだ、いつもの小杉明子へ復活するには言葉が足りないのかとでもいうように、息を吐いた牧野は、仕方ないヤツだなと笑いながら、言葉を続けた。
「どうしたものかと思ってたけど、木村がすぐに気づいた。小杉主任、すげーって」
木村独特のすげーっという言い回しを真似る牧野に、明子もくすりと笑う。
「あれこれ言ってる連中に、木村が言って聞かせたんだ。あの人はすごい人だぞってな」
木村の人を元気にする笑顔が、明子の脳裏に浮かんだ。
沼田も、同じようなことを言っていたことも、思い出す。
じんわりと滲み出す視界に、明子は慌てて天を見上げた。
「今、お前のことをあれこれと言ってるバカなんて、あのお嬢様たちくらいだって。だから、自信をもてって」
こみ上げてきた熱いものを、明子は鼻を鳴らして誤魔化した。