リスタート ~最後の恋を始めよう~ 【前編】
「なんかな。部長から、あの会議室での予行練習の話を聞いて、興味を持ったらしい」
「まあ。沼田くん、優秀ですからね」

肩甲骨あたりを押し揉みながら、呑気にそう答える明子に、牧野がやれやれと笑った。

「沼田もそうだけどな、お前にもな」
「へえ……ええーっ?!」

明子はその手をぴたりと止めて、驚きの声を上げた。

「なにをそんな驚いてんだよ。沼田へのご高説。最高だったぞ」

きひひひと笑う牧野の後頭部を、明子は容赦なくぴしゃりと平手で打った。

「イテーって」
「バカにして笑ってたくせにっ」
「バカになんかしてねえって。さすが、小杉先生ってな」
「バカにしてる感、丸出しでしたよっ」

ぽかぽかぽかぽかと、むうっと頬を膨らませた顔で、明子はまた牧野の肩を叩き始めた。
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