リスタート ~最後の恋を始めよう~ 【前編】
胸を締め付けられるような息苦しさをごまかそうと、仕上げとばかりに重ね合わせた手でポンポンと肩を叩いた明子は「お客さーん。終わりですよー」と、ふざけた声でそう言いながら、牧野を軽く揺すった。
「おう。少し軽くなった。頭に新鮮な血が流れてきたな」
「それはよかったです。午後もがっつり、働いてください」
「言われなくても働くよ、俺は」
「整体とか行ったらどうです? ガチガチですよ」
「好きじゃねえんだよ。ああいうの」
「はあ?! なに言ってるんですか、今まで人に揉ませておいて」
呆れ交じりの声でそういう明子に、牧野は「まあな」と言いながら肩を竦めて笑った。
「手、大丈夫か?」
「そんな心配するくらいなら、させないでくださいよ」
自分で自分の腕を揉みほぐしている明子を見て、やや心配げな声でそう尋ねてきた牧野に、明子は苦笑するしかなかった。
明子の言い分に、牧野はまた「まあな」と言いながら肩を竦めて笑った。
「夜とか、予定大丈夫か? なにかあるなら、遠慮しないで切り上げていいからな。急に呼び出したの、こっちだしな」
「特に、これといってないんで大丈夫です」
「そっか。じゃ、送るから、どっかで飯でも食ってこうぜ」
ふいのその言葉に、ドキリとなった。
‐あいつの車は、家族か彼女限定。
小林が意味ありげに笑いながら告げた言葉が明子の耳に蘇り、思わず、体温が上がる。
「小杉?」
どうした?
そう問いかけながら、返事もなく固まってしまった様子の明子を、訝しげに見上げて見つめる牧野の目に、明子の胸はトクンと高鳴った。
「おう。少し軽くなった。頭に新鮮な血が流れてきたな」
「それはよかったです。午後もがっつり、働いてください」
「言われなくても働くよ、俺は」
「整体とか行ったらどうです? ガチガチですよ」
「好きじゃねえんだよ。ああいうの」
「はあ?! なに言ってるんですか、今まで人に揉ませておいて」
呆れ交じりの声でそういう明子に、牧野は「まあな」と言いながら肩を竦めて笑った。
「手、大丈夫か?」
「そんな心配するくらいなら、させないでくださいよ」
自分で自分の腕を揉みほぐしている明子を見て、やや心配げな声でそう尋ねてきた牧野に、明子は苦笑するしかなかった。
明子の言い分に、牧野はまた「まあな」と言いながら肩を竦めて笑った。
「夜とか、予定大丈夫か? なにかあるなら、遠慮しないで切り上げていいからな。急に呼び出したの、こっちだしな」
「特に、これといってないんで大丈夫です」
「そっか。じゃ、送るから、どっかで飯でも食ってこうぜ」
ふいのその言葉に、ドキリとなった。
‐あいつの車は、家族か彼女限定。
小林が意味ありげに笑いながら告げた言葉が明子の耳に蘇り、思わず、体温が上がる。
「小杉?」
どうした?
そう問いかけながら、返事もなく固まってしまった様子の明子を、訝しげに見上げて見つめる牧野の目に、明子の胸はトクンと高鳴った。