リスタート ~最後の恋を始めよう~ 【前編】
「あの。ホントに、食事はいいですよ」
牧野さん、早く帰って休んだほうがいいですよと、その身を案じているということは伝わるような声で、明子はそう牧野に伝える。
たとえ『打倒! 牧野』の旗を掲げていても、
万が一、本当に過労で倒れられたりしたら、迷惑を通り越して、大損害になる事態だと言うくらいのことは、明子にだって判った。
(ダメダメ)
(食事なんて言って場合じゃないって)
(早く休ませなきゃ)
(我が社の稼ぎ頭にダウンされたら、とんでもないことになっちゃうわ)
どうやって牧野を説き伏せようかと思案している明子をよそに、牧野はやや改まった声で明子を誘う。
「いいから、付き合えよ。話があるって言っただろ」
その言葉に、明子の心はまた怯む。
話があると言われるたびに、心が怯えた。
一体なんの話かと、考えるのが怖かった。
牧野からの話だ。
仕事の話に決まっている。
そうは思っているのだが、仕事の話なら、会社でする時間はいくらでもあった。
今日の牧野の行動を振り返ると、敢えて、会社ではない場所で話をしたがっている、そんなふうに感じられた。
それが、明子の気持ちを弾ませたり不安にさせたりしていた。
思い切って尋ねてみようかと口を開きかけたとき、牧野がふいに思いがけないことを尋ねてきた。
「な。韓国料理、平気か?」
「え? ええ。好きですよ」
突然、なんだろうと思っていると、牧野が店の名前らしい単語を口にした。
聞き覚えがあるような気もするその名前に、明子が眉間に皺を寄せて考え込んでいると、駅前にあるだろうと、牧野は補足した。
牧野さん、早く帰って休んだほうがいいですよと、その身を案じているということは伝わるような声で、明子はそう牧野に伝える。
たとえ『打倒! 牧野』の旗を掲げていても、
万が一、本当に過労で倒れられたりしたら、迷惑を通り越して、大損害になる事態だと言うくらいのことは、明子にだって判った。
(ダメダメ)
(食事なんて言って場合じゃないって)
(早く休ませなきゃ)
(我が社の稼ぎ頭にダウンされたら、とんでもないことになっちゃうわ)
どうやって牧野を説き伏せようかと思案している明子をよそに、牧野はやや改まった声で明子を誘う。
「いいから、付き合えよ。話があるって言っただろ」
その言葉に、明子の心はまた怯む。
話があると言われるたびに、心が怯えた。
一体なんの話かと、考えるのが怖かった。
牧野からの話だ。
仕事の話に決まっている。
そうは思っているのだが、仕事の話なら、会社でする時間はいくらでもあった。
今日の牧野の行動を振り返ると、敢えて、会社ではない場所で話をしたがっている、そんなふうに感じられた。
それが、明子の気持ちを弾ませたり不安にさせたりしていた。
思い切って尋ねてみようかと口を開きかけたとき、牧野がふいに思いがけないことを尋ねてきた。
「な。韓国料理、平気か?」
「え? ええ。好きですよ」
突然、なんだろうと思っていると、牧野が店の名前らしい単語を口にした。
聞き覚えがあるような気もするその名前に、明子が眉間に皺を寄せて考え込んでいると、駅前にあるだろうと、牧野は補足した。