リスタート ~最後の恋を始めよう~ 【前編】
『アレ、僕が持ちかけた話でね』
「義兄さんが?」
ここ数年、定期的に親戚や世話好きのご近所様が、いい人がいるだのなんだなと言って、母親に見合いの話を持ちかけてきた。
明子にとっては余計なお世話としか言いようがないお節介だったが、母親はそれを心底ありがたがっていた。
今回の話も、そんな経緯で転がり込んできた話なのだろうと、明子は思っていた。
だから、義兄のその言葉は明子にはんなり意外なものだった。
義兄の話はこうだった。
テニスサークルの仲間と、今度の土曜日にバーベキューを予定している。
その中に、数人、年齢的にも明子とちょうど合いそうな者たちがいるで紹介したい。
そんな内容だった。
『相手のほうには、全然、そんな話していないから。だから、気楽な気持ちで、遊びに来てもらえたらなって思ってさ。独身の人が結構いるんだよ』
「いつになく、お見合いお見合いって大げさに騒ぐから、何事かと思ってたんですけど、そういうことだったんですね」
『なんか、僕の伝え方が悪くて、義母さんに誤解させちゃったみたいでね』
「昔から早とちりなんですよ、あの人」
何気なく言った明子のその言葉に、なぜか義兄にしばし無言になって、ややあってから、静かに明子に尋ねた。
『もう、お母さんって呼ぶのも、イヤなのかい?』
案じるように問いかけてくる義兄に、そんなことないですよと、明子はいつもの明るい口調で答えようとしたが、できなかった。
少しだけ、沈黙が続き、義兄は意図的に明るい声を出して、それた話を元に戻した。
『土曜日。ムリかな? ホントにいい人たちでね。一人は歯医者さんで、一人は会計士さん、一人は……』
「いったい、何人いるんですか?」
義兄の言葉に、明子は思わず吹き出した。
「義兄さんが?」
ここ数年、定期的に親戚や世話好きのご近所様が、いい人がいるだのなんだなと言って、母親に見合いの話を持ちかけてきた。
明子にとっては余計なお世話としか言いようがないお節介だったが、母親はそれを心底ありがたがっていた。
今回の話も、そんな経緯で転がり込んできた話なのだろうと、明子は思っていた。
だから、義兄のその言葉は明子にはんなり意外なものだった。
義兄の話はこうだった。
テニスサークルの仲間と、今度の土曜日にバーベキューを予定している。
その中に、数人、年齢的にも明子とちょうど合いそうな者たちがいるで紹介したい。
そんな内容だった。
『相手のほうには、全然、そんな話していないから。だから、気楽な気持ちで、遊びに来てもらえたらなって思ってさ。独身の人が結構いるんだよ』
「いつになく、お見合いお見合いって大げさに騒ぐから、何事かと思ってたんですけど、そういうことだったんですね」
『なんか、僕の伝え方が悪くて、義母さんに誤解させちゃったみたいでね』
「昔から早とちりなんですよ、あの人」
何気なく言った明子のその言葉に、なぜか義兄にしばし無言になって、ややあってから、静かに明子に尋ねた。
『もう、お母さんって呼ぶのも、イヤなのかい?』
案じるように問いかけてくる義兄に、そんなことないですよと、明子はいつもの明るい口調で答えようとしたが、できなかった。
少しだけ、沈黙が続き、義兄は意図的に明るい声を出して、それた話を元に戻した。
『土曜日。ムリかな? ホントにいい人たちでね。一人は歯医者さんで、一人は会計士さん、一人は……』
「いったい、何人いるんですか?」
義兄の言葉に、明子は思わず吹き出した。