リスタート ～最後の恋を始めよう～ 【前編】

「金曜日はスカートの日な」
「なにを、勝手なことを言って」
「うんって言わないと、スカートめくるぞ」
「ちょっと。やだ。やめてくださいよ」

バカ、バカ、小学生の子どもですかと言いながら、牧野の手を振り解こうとするが、牧野は放そうとしない。

「スカート、履け」
「判りましたっ　履いてきますっ　もう」

唇を尖らせてむくれる明子に、牧野は、にたりと笑いようやく手を離した。
望み通りの答えを得られて、満足している顔だった。


（ホントに、もう）
（一度言い出したら、きかないんだから）
（ばか）


頬を膨らませ怒り顔の明子に、牧野は楽しそうにくつくつ笑い、立ち上がった。

「このレンコンは？」