リスタート ~最後の恋を始めよう~ 【前編】
「とりあえず、推定Dカップくらいだな、ありゃ」
その言葉に、今まで眉を寄せていた明子は、すぐに大きく目を見開いて「うぎゃーっ、いやーっ」と叫びながら洗面所に駆け込んだ。
正しくは、脱衣カゴの元に走っていった。
朝から生活のリズムを全てぶち壊されて、今日は洗濯どころではなかった。
というか、牧野が寝ていたため、洗面所のドアを開けることさえできなかったのだ。
トイレが塞がれないでよかったと、朝は安堵したけれど。いっそのこと、トイレが塞がれていた方が、まだマシだったかもしれない。
昨日、着ていた衣類が入ったカゴには、中のものが見えないように、広げられたタオルが一枚掛けられていた。
けれど、それは明子がかけたものではない。
断じて違う。
もう、何年も一人で暮らしている家で、ましてや、泊まっていく者など誰もいない家で、こんな気遣いなどまずしない。
だいたい、昨夜の明子にそんなに余裕はない。
恐る恐る手を伸ばし、タオルを取ると……
明子は、膝から崩れ落ちた。
(そりゃね)
(服を脱いでから、下着だもの)
(こう、なっているよね)
明子は頭を抱えるようにして、床に臥した。
その言葉に、今まで眉を寄せていた明子は、すぐに大きく目を見開いて「うぎゃーっ、いやーっ」と叫びながら洗面所に駆け込んだ。
正しくは、脱衣カゴの元に走っていった。
朝から生活のリズムを全てぶち壊されて、今日は洗濯どころではなかった。
というか、牧野が寝ていたため、洗面所のドアを開けることさえできなかったのだ。
トイレが塞がれないでよかったと、朝は安堵したけれど。いっそのこと、トイレが塞がれていた方が、まだマシだったかもしれない。
昨日、着ていた衣類が入ったカゴには、中のものが見えないように、広げられたタオルが一枚掛けられていた。
けれど、それは明子がかけたものではない。
断じて違う。
もう、何年も一人で暮らしている家で、ましてや、泊まっていく者など誰もいない家で、こんな気遣いなどまずしない。
だいたい、昨夜の明子にそんなに余裕はない。
恐る恐る手を伸ばし、タオルを取ると……
明子は、膝から崩れ落ちた。
(そりゃね)
(服を脱いでから、下着だもの)
(こう、なっているよね)
明子は頭を抱えるようにして、床に臥した。