リスタート ~最後の恋を始めよう~ 【前編】
シャワーを止める。
やっと、さっぱりしたなと一息ついて、ふと、
顔を真っ赤にしたままシャワーを勧めてきた明子の姿がその脳裏に思い浮かんだ。
一度、その姿を思い出してしまったら、次から次へと、今日の明子の姿が閉じた瞼の裏に浮かびあがってきた。
一晩中、泣いていたことが判るほど、瞼を晴らした顔。
普段見ることのない、ニット帽を被った子どものやうな姿。
髪を束ねて台所で動き回るエプロン姿の横顔。
料理をする、爪を綺麗に切り揃えた少し小さめの手。
心に刻み込まれた明子の姿が、走馬灯のように牧野の脳裏を流れていった。
スカートの裾から僅かに覗いていた白い足。
赤く染まった胸元……
その姿に、思わず、喉が鳴った。
牧野の雄が、むくりと顔を擡げてきそうになった。
そんな自分に牧野は苦笑する。
(十代の子どもか、俺は)
そう思って、苦笑する。
やっと、さっぱりしたなと一息ついて、ふと、
顔を真っ赤にしたままシャワーを勧めてきた明子の姿がその脳裏に思い浮かんだ。
一度、その姿を思い出してしまったら、次から次へと、今日の明子の姿が閉じた瞼の裏に浮かびあがってきた。
一晩中、泣いていたことが判るほど、瞼を晴らした顔。
普段見ることのない、ニット帽を被った子どものやうな姿。
髪を束ねて台所で動き回るエプロン姿の横顔。
料理をする、爪を綺麗に切り揃えた少し小さめの手。
心に刻み込まれた明子の姿が、走馬灯のように牧野の脳裏を流れていった。
スカートの裾から僅かに覗いていた白い足。
赤く染まった胸元……
その姿に、思わず、喉が鳴った。
牧野の雄が、むくりと顔を擡げてきそうになった。
そんな自分に牧野は苦笑する。
(十代の子どもか、俺は)
そう思って、苦笑する。