リスタート ~最後の恋を始めよう~ 【前編】
「今日、臨時部課長会議が、あるみたいですよ」
ウチの岡本課長が、あの無精ひげをキレイに剃って、バシっとスーツ決めてきましたから。
一階フロアのエレベーター前で見かけた岡本の姿を、潜めた声で告げた明子に、その目を大きく見開いた彼女は、すぐに「ありがとう」と明子に告げ、まだロッカールームにいる後輩たちに耳打ちするように声をかけながら、急ぐ様子で出て行った。
彼女の属する部署は、ロッカールームから一番離れている。
それでも、この時間なら余裕で間に合うだろうと、明子は頷いた。
彼女に耳打ちされた後輩たちも、その言葉に慌てた様子で身支度を整えると、競うようにしてロッカールームを飛び出していく。
明子は時計を見た。
始業十分前を、針は知らせていた。
入念なメイクタイムに突入している美咲たちは、おそらく、すぐにロッカールームを出られる状態ではない。
かまうものかと、明子はロッカーを後にした。
(お局様を、舐めんじゃないわよっ)
(あんたたちのくだらない噂話なんかより、もっと怖くて有益な情報、たくさん持ってるんだからねっ)
心の中で、あっかんべえと舌を出し、明子は廊下に出ると駆け出した。
ウチの岡本課長が、あの無精ひげをキレイに剃って、バシっとスーツ決めてきましたから。
一階フロアのエレベーター前で見かけた岡本の姿を、潜めた声で告げた明子に、その目を大きく見開いた彼女は、すぐに「ありがとう」と明子に告げ、まだロッカールームにいる後輩たちに耳打ちするように声をかけながら、急ぐ様子で出て行った。
彼女の属する部署は、ロッカールームから一番離れている。
それでも、この時間なら余裕で間に合うだろうと、明子は頷いた。
彼女に耳打ちされた後輩たちも、その言葉に慌てた様子で身支度を整えると、競うようにしてロッカールームを飛び出していく。
明子は時計を見た。
始業十分前を、針は知らせていた。
入念なメイクタイムに突入している美咲たちは、おそらく、すぐにロッカールームを出られる状態ではない。
かまうものかと、明子はロッカーを後にした。
(お局様を、舐めんじゃないわよっ)
(あんたたちのくだらない噂話なんかより、もっと怖くて有益な情報、たくさん持ってるんだからねっ)
心の中で、あっかんべえと舌を出し、明子は廊下に出ると駆け出した。