リスタート ~最後の恋を始めよう~ 【前編】
明子に声をかけられた木村は、途中で渡辺と岡島を拾って、席に着いた。
「なんか、今日、勢揃いですね。部長も課長も」
おはようございますと、人一倍元気に声で周りに挨拶をしながら、木村は不思議そうに上司たちを見て、明子にそう話しかけてきた。。
「しかも課長なんて、超スペシャル戦闘服、着てるし」
その言葉に、明子はもちろん、牧野でさえも笑いだした。
小林や川田も笑っている。
「着てみるか?」
牧野にそう言われ、木村はブンブンという音が聞こえそうな勢いで、顔を横に振る。
「僕が着たら、七五三と言われて、思い切り笑われますよ」
牧野が着ているマルチストライプが粋な濃紺のスーツは、オーダーで仕立てたものらしい。
握った拳ひとつすら入れることができぬほどに、ピッタリとその体にフィットしたジャケットは、ウエストラインの皺さえ決まっていた。
袖口からわずかに覗くワイシャツの袖は、絶妙な長さだった。
超スペシャル戦闘服。
木村のその言葉に、周囲にいた者は皆、肩を揺らして笑ったけれど、その表現が的確すぎて笑うしかなかっただけだ。
その木村はと言えば、レモン色のコットンシャツに、珍しく、普段は客先に行くときにしか着用しない茶色のネクタイを絞めて、暖かそうなニットのカーディガンを羽織っていた。
濃茶の糸でトナカイ柄が編みこまれているそれは、いかにも冬のアウターニットという印象だ。
タックが入ったウール素材のパンツは、よく見ると茶系のチェック地だった。
(キミも、ネクタイなんか絞めてさ)
(最上級の戦闘服なんじゃない? 今日は)
木村をちらりと眺めた明子は、そんなことを考えて、笑った。
「なんか、今日、勢揃いですね。部長も課長も」
おはようございますと、人一倍元気に声で周りに挨拶をしながら、木村は不思議そうに上司たちを見て、明子にそう話しかけてきた。。
「しかも課長なんて、超スペシャル戦闘服、着てるし」
その言葉に、明子はもちろん、牧野でさえも笑いだした。
小林や川田も笑っている。
「着てみるか?」
牧野にそう言われ、木村はブンブンという音が聞こえそうな勢いで、顔を横に振る。
「僕が着たら、七五三と言われて、思い切り笑われますよ」
牧野が着ているマルチストライプが粋な濃紺のスーツは、オーダーで仕立てたものらしい。
握った拳ひとつすら入れることができぬほどに、ピッタリとその体にフィットしたジャケットは、ウエストラインの皺さえ決まっていた。
袖口からわずかに覗くワイシャツの袖は、絶妙な長さだった。
超スペシャル戦闘服。
木村のその言葉に、周囲にいた者は皆、肩を揺らして笑ったけれど、その表現が的確すぎて笑うしかなかっただけだ。
その木村はと言えば、レモン色のコットンシャツに、珍しく、普段は客先に行くときにしか着用しない茶色のネクタイを絞めて、暖かそうなニットのカーディガンを羽織っていた。
濃茶の糸でトナカイ柄が編みこまれているそれは、いかにも冬のアウターニットという印象だ。
タックが入ったウール素材のパンツは、よく見ると茶系のチェック地だった。
(キミも、ネクタイなんか絞めてさ)
(最上級の戦闘服なんじゃない? 今日は)
木村をちらりと眺めた明子は、そんなことを考えて、笑った。