リスタート ~最後の恋を始めよう~ 【前編】
「まだ話は終わってないぞっ」
もう勘弁してと、明子はぐったりとした気分で振り返り、吉田を見た。
その顔を見る限り、自分を無視するように仕事に取りかかり始めた明子に、心底,腹を立てている様子だった。
「なんの、お話でしょ?」
「なんのじゃないだろっ 自分の勝手を通して、こちらの仕事を引っ掻き回して。まだその報告もない。どれだけ迷惑をかける気だっ」
「このあと、君島課長にご報告することになっていますが」
「キミから勝手に課長に報告などするなっ リーダーの大塚に」
「ご一緒に、お話を聞いていただけると思っていたんですが? 先にご報告しますか?」
「しろと言って」
「大塚主任に、尋ねています。プロジェクトリーダーでもなんでもない方に、尋ねてなんかいません。今から、報告しますか?」
喚く吉田の言葉を遮って、明子は大塚の背にそう声をかけた。
吉田が明子に対してわめき散らしているその間も、ただ黙して自分に背を向け続けている大塚に、明子はそう声をかけた。
少しだけ間を空けて「課長と、一緒に聞く」と、静かな声で、大塚は明子にそう言葉を返してきた。
なにかをその腹に据わらせてきたような落ち着きのあるその声に、明子はよかったと密かに胸を撫で下ろした。
少なくとも、大塚には、この期に及んでまで吉田のような醜態を晒すつもりはないらしい。
伝わってきた大塚のその決意に、明子は少なからず安堵した。
もう勘弁してと、明子はぐったりとした気分で振り返り、吉田を見た。
その顔を見る限り、自分を無視するように仕事に取りかかり始めた明子に、心底,腹を立てている様子だった。
「なんの、お話でしょ?」
「なんのじゃないだろっ 自分の勝手を通して、こちらの仕事を引っ掻き回して。まだその報告もない。どれだけ迷惑をかける気だっ」
「このあと、君島課長にご報告することになっていますが」
「キミから勝手に課長に報告などするなっ リーダーの大塚に」
「ご一緒に、お話を聞いていただけると思っていたんですが? 先にご報告しますか?」
「しろと言って」
「大塚主任に、尋ねています。プロジェクトリーダーでもなんでもない方に、尋ねてなんかいません。今から、報告しますか?」
喚く吉田の言葉を遮って、明子は大塚の背にそう声をかけた。
吉田が明子に対してわめき散らしているその間も、ただ黙して自分に背を向け続けている大塚に、明子はそう声をかけた。
少しだけ間を空けて「課長と、一緒に聞く」と、静かな声で、大塚は明子にそう言葉を返してきた。
なにかをその腹に据わらせてきたような落ち着きのあるその声に、明子はよかったと密かに胸を撫で下ろした。
少なくとも、大塚には、この期に及んでまで吉田のような醜態を晒すつもりはないらしい。
伝わってきた大塚のその決意に、明子は少なからず安堵した。