リスタート ~最後の恋を始めよう~ 【前編】
「ね、狙って」
震えているその声を落ち着かせようと、沼田は大きく深呼吸した。
「狙って頂けたなら、光栄です」
まだ震えてはいるけれど、それでも、金曜日よりももっと腹が据わった大きな声で、沼田は吉田を真っ直ぐに見てそう告げた。
新藤たちが冷やかすように口笛を吹き、背後からははやしたてるように笑う女の子たちの声があがる。
そんな外野の声に、それでも、沼田は怯むことなく、まっすぐに吉田を睨んで言葉を続けた。
「木村くんから、よく小杉主任のことを聞かされていました。牧野課長と同じスピードで仕事ができる人だと。一緒にお仕事をさせて頂いて、それがよく判りました。その人に、本当に狙って頂けたなら、とても光栄なことだと思います。そんな男になれるよう、頑張りたいと思います」
野木がその目を大きく見開いて、吉田と対峙するように喋っている沼田を見ていた。その顔に、沼田が今どれだけのことをしてくれているのか、明子にも判った。
すうっと、消えかけていた冷静が、明子の心に戻ってきた。
-俺様には、敵も多いが味方も多い。
牧野のそんな口癖を思い出す。
深く息を吸い込み、そして、さらにきつく手を握り締めた。
明子は決意を固めるように、息を整える。
震えているその声を落ち着かせようと、沼田は大きく深呼吸した。
「狙って頂けたなら、光栄です」
まだ震えてはいるけれど、それでも、金曜日よりももっと腹が据わった大きな声で、沼田は吉田を真っ直ぐに見てそう告げた。
新藤たちが冷やかすように口笛を吹き、背後からははやしたてるように笑う女の子たちの声があがる。
そんな外野の声に、それでも、沼田は怯むことなく、まっすぐに吉田を睨んで言葉を続けた。
「木村くんから、よく小杉主任のことを聞かされていました。牧野課長と同じスピードで仕事ができる人だと。一緒にお仕事をさせて頂いて、それがよく判りました。その人に、本当に狙って頂けたなら、とても光栄なことだと思います。そんな男になれるよう、頑張りたいと思います」
野木がその目を大きく見開いて、吉田と対峙するように喋っている沼田を見ていた。その顔に、沼田が今どれだけのことをしてくれているのか、明子にも判った。
すうっと、消えかけていた冷静が、明子の心に戻ってきた。
-俺様には、敵も多いが味方も多い。
牧野のそんな口癖を思い出す。
深く息を吸い込み、そして、さらにきつく手を握り締めた。
明子は決意を固めるように、息を整える。