リスタート ~最後の恋を始めよう~ 【前編】
「小林さん。だったら、せめて、メールしている間に、加勢してやってくださいよ」
「それも大丈夫ですよ、課長さん。その金太郎は、途中から桃太郎に変身しましたから。お供のトイプードルとボルゾイが、きび団子の恩返しとばかりに、頑張ってくれてましたよ」
「ぼ、ぼるぞい?」
紀子がその言葉に反応し沼田を見て、きゃははははと楽しそうに笑い出した。
「小林さん、うまいっ いやん、確かにボルゾイだわ」
大塚までもが吹き出して笑っている声が聞こえ、明子も思わず小林の例えに笑った。
「トイプードルって?」
「お前だろ」
誰のことですという顔で小林を見ている木村に、川田が答える。
岡島や渡辺は、腹を抱える勢いで笑っていた。
「牧野課長」
そんな喧騒の中、島野が静かに牧野に声をかけた。
「私は女の子を苛める男は、大嫌いですがね、女の子に無茶なケンカをされる男も、嫌いですよ。こんな爪の痕がつくまで拳を握らせて。盾にでもするつもりでしたか? 槍にでもするつもりでしたか?」
「そんなつもりは」
「なかったっていうなら、こんなケンカさせちゃダメでしょう。そんな最強クレーマーの異名を持つような人と戦って。どれだけ怖い思いしていたと思うんですか?」
困った人ですね。
そう言いながら、明子の手の平に刻みつれられた爪の痕を消しとやろうとするように、島野は明子の手の平を摩り続けた。
牧野は言葉を詰まらせ、唇の端を噛み締めていた。
「それも大丈夫ですよ、課長さん。その金太郎は、途中から桃太郎に変身しましたから。お供のトイプードルとボルゾイが、きび団子の恩返しとばかりに、頑張ってくれてましたよ」
「ぼ、ぼるぞい?」
紀子がその言葉に反応し沼田を見て、きゃははははと楽しそうに笑い出した。
「小林さん、うまいっ いやん、確かにボルゾイだわ」
大塚までもが吹き出して笑っている声が聞こえ、明子も思わず小林の例えに笑った。
「トイプードルって?」
「お前だろ」
誰のことですという顔で小林を見ている木村に、川田が答える。
岡島や渡辺は、腹を抱える勢いで笑っていた。
「牧野課長」
そんな喧騒の中、島野が静かに牧野に声をかけた。
「私は女の子を苛める男は、大嫌いですがね、女の子に無茶なケンカをされる男も、嫌いですよ。こんな爪の痕がつくまで拳を握らせて。盾にでもするつもりでしたか? 槍にでもするつもりでしたか?」
「そんなつもりは」
「なかったっていうなら、こんなケンカさせちゃダメでしょう。そんな最強クレーマーの異名を持つような人と戦って。どれだけ怖い思いしていたと思うんですか?」
困った人ですね。
そう言いながら、明子の手の平に刻みつれられた爪の痕を消しとやろうとするように、島野は明子の手の平を摩り続けた。
牧野は言葉を詰まらせ、唇の端を噛み締めていた。