リスタート ~最後の恋を始めよう~ 【前編】
「なにが怖かっただ。そんなしおらしいタマかよ」
けっと、唾を吐き出すようにそんなことをぼやいた新藤を、島野が笑う。
「君は、覚悟を決めて、なにかに挑んだことなんてないだろう。そんなお子さまには判らないよ。早く、大人になりなさい」
島野のその言葉に、今になって、明子の手が震えだしてきた。
すっと怖かった。
怒鳴られて。
睨まれて。
何度も、怖くなって逃げ出しそうだった。
その震えを、島野は宥めるように、手を摩り続けた。
「よしよし。温まってきたね。右手も温めてあげるから、出してごらん」
明子の左手を握り続けていた島野が、明るい声でそう言って、今度は右手を取ろうと手を伸ばす。
牧野が、その手を叩き払った。
-調子に乗るな。
そう言って、憮然とした顔で島野を睨みつけていた。
「だいたい、あんたはさっきから、なにをしてんだよっ」
島野は肩を竦めて、明子の左手を自分の頬に押し当てた。
「いいなあ。女の子の手。久しぶりだなあ。今日はずっと握ってていいかな」
うっとりとした声でそんなことを言う島野に、「小杉さん、逃げてくださーい」と、紀子が笑い出した。
けっと、唾を吐き出すようにそんなことをぼやいた新藤を、島野が笑う。
「君は、覚悟を決めて、なにかに挑んだことなんてないだろう。そんなお子さまには判らないよ。早く、大人になりなさい」
島野のその言葉に、今になって、明子の手が震えだしてきた。
すっと怖かった。
怒鳴られて。
睨まれて。
何度も、怖くなって逃げ出しそうだった。
その震えを、島野は宥めるように、手を摩り続けた。
「よしよし。温まってきたね。右手も温めてあげるから、出してごらん」
明子の左手を握り続けていた島野が、明るい声でそう言って、今度は右手を取ろうと手を伸ばす。
牧野が、その手を叩き払った。
-調子に乗るな。
そう言って、憮然とした顔で島野を睨みつけていた。
「だいたい、あんたはさっきから、なにをしてんだよっ」
島野は肩を竦めて、明子の左手を自分の頬に押し当てた。
「いいなあ。女の子の手。久しぶりだなあ。今日はずっと握ってていいかな」
うっとりとした声でそんなことを言う島野に、「小杉さん、逃げてくださーい」と、紀子が笑い出した。