リスタート ~最後の恋を始めよう~ 【前編】
「違うと思います。多分、未セットなんです。営業担当コード」
「は?」
なんだ、そりゃ。
傍らにいる牧野の怪訝なその声に、明子は困ったように牧野を見上げて訴えた。
「去年の暮れに、社内システムの改修分がリリースされたんですけど、それから、おかしいんです、社内システム。営業も、運用も、総務も、なんかヘンだよねって」
「ヘン?」
なんだよ、ヘンって。
判るように説明してくれと言う牧野の顔に、明子は今の問題を例に挙げ説明し始めた。
「例えば、今の出荷指示の処理も、紐付けがおかしいときがあるってことで、システム部に去年、改修依頼を出したそうなんです」
「まあ、毎年、なにかしらの改修依頼はあるな」
「で、十二月に改修分がリリースされたんで入れ替えたら、例えば、営業担当コードとか、今まで必須入力だった項目が、未入力でもOKになっちゃってたりとか。それを直すのに、出荷指示コードで該当データを呼び出そうとすると、営業担当コードが未セットのせいで、SQLの実行エラーでシステム落ちちゃったりとか」
「はあ?!」
そんなバカなと言いたげに、牧野は眉間に深い縦皺を刻んで明子を見下ろしていた。
小林たちも周囲の者たちと顔を見合わせ、なんだ、それはと首を傾げあっていた。
「そういうのが、いろいろあるんです。新規登録できても、更新でエラーになって落ちちゃうみたいな。だから営業でも、すごい困ってるらしいんです。システム部、なんでこんな改修したのって。みんな不思議がってて」
「そりゃ、不思議だな。つうか。ありえねえだろ」
牧野は、髪をガシガシとかき乱した。
その姿に、思わずドキリとなった明子は「課長、せっかくの御髪が台無しですよぅ」と、おどけたように言って、その手を止めた。
乱れた髪を見ていると、昨日のことを思い出し、顔が赤らんでしまいそうだった。
「は?」
なんだ、そりゃ。
傍らにいる牧野の怪訝なその声に、明子は困ったように牧野を見上げて訴えた。
「去年の暮れに、社内システムの改修分がリリースされたんですけど、それから、おかしいんです、社内システム。営業も、運用も、総務も、なんかヘンだよねって」
「ヘン?」
なんだよ、ヘンって。
判るように説明してくれと言う牧野の顔に、明子は今の問題を例に挙げ説明し始めた。
「例えば、今の出荷指示の処理も、紐付けがおかしいときがあるってことで、システム部に去年、改修依頼を出したそうなんです」
「まあ、毎年、なにかしらの改修依頼はあるな」
「で、十二月に改修分がリリースされたんで入れ替えたら、例えば、営業担当コードとか、今まで必須入力だった項目が、未入力でもOKになっちゃってたりとか。それを直すのに、出荷指示コードで該当データを呼び出そうとすると、営業担当コードが未セットのせいで、SQLの実行エラーでシステム落ちちゃったりとか」
「はあ?!」
そんなバカなと言いたげに、牧野は眉間に深い縦皺を刻んで明子を見下ろしていた。
小林たちも周囲の者たちと顔を見合わせ、なんだ、それはと首を傾げあっていた。
「そういうのが、いろいろあるんです。新規登録できても、更新でエラーになって落ちちゃうみたいな。だから営業でも、すごい困ってるらしいんです。システム部、なんでこんな改修したのって。みんな不思議がってて」
「そりゃ、不思議だな。つうか。ありえねえだろ」
牧野は、髪をガシガシとかき乱した。
その姿に、思わずドキリとなった明子は「課長、せっかくの御髪が台無しですよぅ」と、おどけたように言って、その手を止めた。
乱れた髪を見ていると、昨日のことを思い出し、顔が赤らんでしまいそうだった。