リスタート ~最後の恋を始めよう~ 【前編】
「なんで、ウチの課長、争奪戦に負けたかなあ」
島野が、心底、残念そうな声で、そうぼやく。
「全くだ。引っ張ってきてくれりゃ、こんな面倒……」
島野のぼやきに同調して、大塚までそんなことをブツブツとこぼす。
彼らがなにを言っているのか理解できない明子は、怪訝な面もちで二人を交互に見やった。
「それは、二課の課長さんが、伝家の宝刀を振るって強奪したからだよ。小杉をこっちによこせーって」
岡本が、わははっと豪快に笑いながら、島野に答えた。
その言葉に、君島や小林も笑い声をあげた。
松山も、肩を揺らして笑っていた。
(争奪戦?)
(強奪?)
ぴたりと止まっていた思考回路が、ゆるゆると動き始め、明子は首を傾げて、離れた席の岡本を見た。
その顔に岡本はにやりと笑い「ハンターが沢山いたんだぞぉっ」と、明子に告げた。
「すげー。主任もやっぱりモンスターだ」
「だから、ゲームじゃないのよ、もう」
聞こえたきた木村の声に、ようやく、自分を取り戻した明子は、笑いながら立ち上がった。
「朝礼を始める」
ざわついていた室内が、笹島のその一声で引き締まる。
立ち上がった牧野の手が、明子の背中に触れ、席に戻ろうと無言で促した。
島野が、心底、残念そうな声で、そうぼやく。
「全くだ。引っ張ってきてくれりゃ、こんな面倒……」
島野のぼやきに同調して、大塚までそんなことをブツブツとこぼす。
彼らがなにを言っているのか理解できない明子は、怪訝な面もちで二人を交互に見やった。
「それは、二課の課長さんが、伝家の宝刀を振るって強奪したからだよ。小杉をこっちによこせーって」
岡本が、わははっと豪快に笑いながら、島野に答えた。
その言葉に、君島や小林も笑い声をあげた。
松山も、肩を揺らして笑っていた。
(争奪戦?)
(強奪?)
ぴたりと止まっていた思考回路が、ゆるゆると動き始め、明子は首を傾げて、離れた席の岡本を見た。
その顔に岡本はにやりと笑い「ハンターが沢山いたんだぞぉっ」と、明子に告げた。
「すげー。主任もやっぱりモンスターだ」
「だから、ゲームじゃないのよ、もう」
聞こえたきた木村の声に、ようやく、自分を取り戻した明子は、笑いながら立ち上がった。
「朝礼を始める」
ざわついていた室内が、笹島のその一声で引き締まる。
立ち上がった牧野の手が、明子の背中に触れ、席に戻ろうと無言で促した。