リスタート ~最後の恋を始めよう~ 【前編】
十二月の賞与の支給を前に、今期の業務成績などが、笹原の口から告げられていく。
会社全体で見ると、やはり、皆が危惧していた通り、売り上げそのものは前年に比べやや落ちこんでいるらしい。
それでも、第二システム部に関して言えば、僅かながらではあるが、売り上げは前年よりも更に伸びていると告げられ、その言葉に、皆の顔にも少しだけ安堵の色が浮かんでいた。
さらなる邁進を望む言葉で、その話は締めくくられ、今朝の抜き打ちチェックに話は変わった。
始業時間前に遅刻の連絡があった者には、もう少し時間に余裕を持っての出社を促すていどで話しで終わったが、それ以外の不在者たちは一人一人名を呼ばれて、席を立つよう促された。
遅刻の理由、不在の理由をそれぞれ尋ねられ、美咲の隣に座る野々村香里(ののむら かおり)の番になった。
(ああ、そうそう、野々村さんだ)
ようやく、取り巻き一号の名前を思い出した明子は、その隣の美咲の顔を見て、がくりと肩を落とした。
美咲は笹原の声など全く耳に入っていない顔で、うっとりした目で牧野を眺めていた。
木村曰くの『最強の戦闘服』を装着した牧野は、結果的に『超極上の男前』に変身していた。その姿に、ハートマークになっているような美咲の目は注がれていた。
(確か、上から戻ってきたときも、あの席辺りから、黄色い悲鳴が聞こえたかも)
息を切らして、まっすぐに歩いてきた牧野の姿を、明子は思い出した。
吉田と自分の間に入って、庇うように向けてくれた大きな背中に、嬉しくて泣き出しそうだった。
そんなことを思い出したら、明子の頬に微かな熱が宿った。
会社全体で見ると、やはり、皆が危惧していた通り、売り上げそのものは前年に比べやや落ちこんでいるらしい。
それでも、第二システム部に関して言えば、僅かながらではあるが、売り上げは前年よりも更に伸びていると告げられ、その言葉に、皆の顔にも少しだけ安堵の色が浮かんでいた。
さらなる邁進を望む言葉で、その話は締めくくられ、今朝の抜き打ちチェックに話は変わった。
始業時間前に遅刻の連絡があった者には、もう少し時間に余裕を持っての出社を促すていどで話しで終わったが、それ以外の不在者たちは一人一人名を呼ばれて、席を立つよう促された。
遅刻の理由、不在の理由をそれぞれ尋ねられ、美咲の隣に座る野々村香里(ののむら かおり)の番になった。
(ああ、そうそう、野々村さんだ)
ようやく、取り巻き一号の名前を思い出した明子は、その隣の美咲の顔を見て、がくりと肩を落とした。
美咲は笹原の声など全く耳に入っていない顔で、うっとりした目で牧野を眺めていた。
木村曰くの『最強の戦闘服』を装着した牧野は、結果的に『超極上の男前』に変身していた。その姿に、ハートマークになっているような美咲の目は注がれていた。
(確か、上から戻ってきたときも、あの席辺りから、黄色い悲鳴が聞こえたかも)
息を切らして、まっすぐに歩いてきた牧野の姿を、明子は思い出した。
吉田と自分の間に入って、庇うように向けてくれた大きな背中に、嬉しくて泣き出しそうだった。
そんなことを思い出したら、明子の頬に微かな熱が宿った。