リスタート ~最後の恋を始めよう~ 【前編】
「社則にあるとおり、社会人らしい身だしなみを」
「仕事をサボってまで、そんなことにする必要はないっ」
ふざけるのも、いい加減にしろっ
滅多なことでは大声を出すことのない岡本の太いその声に、香里を肩をびくんと跳ね上げ、恐々という様子で岡本を見た。
初めて見る岡本の険しいその顔つきに、取り巻き二号こと江藤沙紀(えとう さき)は、すでに泣き出しそうな顔になっている。
彼女たちから見れば、岡本あたりともなると、年齢的には父親に近いのだろう。
そんな男に怒声で叱責を受けたのだ。さすがの彼女たちも、なにも言えなくなったらしい。
ロッカールームで、先輩たちにしたり顔で言った言葉など通用する相手ではない。小林の言うとおり、所詮は小賢しい浅知恵だった。
「明日からは、総務と同じく制服を着用しなさい。家から着てくればいい。内勤なんだ。制服で問題ないだろう」
笹原の静かだが怒気を孕んだ太い声に、ついに香里も首を竦めて、美咲の肘を後ろから突付いていた。
どうにかして欲しいと言っているようなその顔に、明子の頭痛はさらに増していった。
美咲が父親の名前を持ち出せば、ここでは何をしてる許されると、本気でそう思っているのかと思うと、こめかみがキリキリとしてくるようだった。
「立っている者は会議室に来い。話がある」
笹原のその声に、隣の木村がうひゃーと言うように、その首を竦めたのを、明子は目の端で捉えた。
よほど怖いらしい。
-雷、ドカン。
小林のその言葉をまた思い出した明子も、やれやれと肩を竦めた。
「仕事をサボってまで、そんなことにする必要はないっ」
ふざけるのも、いい加減にしろっ
滅多なことでは大声を出すことのない岡本の太いその声に、香里を肩をびくんと跳ね上げ、恐々という様子で岡本を見た。
初めて見る岡本の険しいその顔つきに、取り巻き二号こと江藤沙紀(えとう さき)は、すでに泣き出しそうな顔になっている。
彼女たちから見れば、岡本あたりともなると、年齢的には父親に近いのだろう。
そんな男に怒声で叱責を受けたのだ。さすがの彼女たちも、なにも言えなくなったらしい。
ロッカールームで、先輩たちにしたり顔で言った言葉など通用する相手ではない。小林の言うとおり、所詮は小賢しい浅知恵だった。
「明日からは、総務と同じく制服を着用しなさい。家から着てくればいい。内勤なんだ。制服で問題ないだろう」
笹原の静かだが怒気を孕んだ太い声に、ついに香里も首を竦めて、美咲の肘を後ろから突付いていた。
どうにかして欲しいと言っているようなその顔に、明子の頭痛はさらに増していった。
美咲が父親の名前を持ち出せば、ここでは何をしてる許されると、本気でそう思っているのかと思うと、こめかみがキリキリとしてくるようだった。
「立っている者は会議室に来い。話がある」
笹原のその声に、隣の木村がうひゃーと言うように、その首を竦めたのを、明子は目の端で捉えた。
よほど怖いらしい。
-雷、ドカン。
小林のその言葉をまた思い出した明子も、やれやれと肩を竦めた。