リスタート ~最後の恋を始めよう~ 【前編】
「しかも、こいつの巧妙なところは、ただ盗んだんじゃ、鍵がなくなったことに気付かれるからって、代わりに自分の机の鍵を入れておいたんだ。すごいだろ。気づかなかったろ?」
自慢話のように告げる小林に「気づかなかっただろうじゃありませんよっ」と、明子は噛みついた。
「それって、犯罪ですっ」
「ん。俺と君島もそう言った。そしたらな」
「な?」
「弁当の盗み食いしている時点で、犯罪は成立していますからって。あと一つ、二つ、犯罪歴が増えたところで、どうってことないですよって、ケロリと言いやがってな。本人がそこまで覚悟しているなら、まあ、いいかって」
俺と君島は、見て見ぬふりをすることに決めたんだ。
小林はそう締めくくって、またけらけらと笑い続けた。
開いた口が塞がらないというのはこういうことかと、明子はただ呆れて、牧野を見るしかなかった。
牧野は、へへんというように、胸を反らしてふんぞり返っていた。
「課長。かっけー」
「かっこよくありませんっ」
木村の言葉をばっさりと切って捨て、明子は「もう、バカですかっ」と、牧野を睨んだ。
自慢話のように告げる小林に「気づかなかっただろうじゃありませんよっ」と、明子は噛みついた。
「それって、犯罪ですっ」
「ん。俺と君島もそう言った。そしたらな」
「な?」
「弁当の盗み食いしている時点で、犯罪は成立していますからって。あと一つ、二つ、犯罪歴が増えたところで、どうってことないですよって、ケロリと言いやがってな。本人がそこまで覚悟しているなら、まあ、いいかって」
俺と君島は、見て見ぬふりをすることに決めたんだ。
小林はそう締めくくって、またけらけらと笑い続けた。
開いた口が塞がらないというのはこういうことかと、明子はただ呆れて、牧野を見るしかなかった。
牧野は、へへんというように、胸を反らしてふんぞり返っていた。
「課長。かっけー」
「かっこよくありませんっ」
木村の言葉をばっさりと切って捨て、明子は「もう、バカですかっ」と、牧野を睨んだ。