リスタート ~最後の恋を始めよう~ 【前編】
「大人の女性なら、そういうこともちゃんとしないとね。仕事の席もデートのときも同じなんて、お子さまのすることだよ。ママにも、そう言われているんじゃないのかな?」
明子はちらりと小林に目を向けた。
小林はすでに机に突っ伏すように顔を伏せ、肩を震わせていた。
その背後にいる牧野は、イスごとこちらに背を向けてしまっている。
おそらく、必死に笑いをかみ殺しているにちがいない。
川田や木村は、呆気にとられた顔で島野を見ていた。
明子とて、美咲の目がなかったら、腹を抱えて笑い転げたいところだった。
(島野さん、無敵すぎですっ)
(すごいですっ)
(お願いですっ)
(早く広島から帰ってきてっ)
(このモンスターを、手玉にとって黙らせてっ)
女たらしを、まるで勲章のように自慢している、そんな百戦錬磨の色男を前に、美咲も言葉なく唖然とした様子で、島野を見ているしかないようだった。
「明日からは、仕事の席では、仕事用の服装をして、お化粧も仕事用にしてきなさい。職場に気を引きたい人がいるなら、尚のことだよ。仕事の席もデートの席も一緒じゃ、飽きれられるよ?」
その言葉に美咲の目は牧野に向けられて、振り返った牧野は、牙を向くような顔で島野をめねつけていた。
「リップの色が、ピンクから赤になったところで、興味のない男には判らないけどね。雰囲気が少し変わったくらいのことは、鈍くても判るもんだよ。職場で見せる姿とデートの席の姿は、分けておいたほうがいい。ギャップがあってね。そういうところに男は堕ちるよ」
試してみるといい。
にっこりとほほ笑みながらの島野の言葉に、今や毒気を抜かれたように大人しくなった美咲を見て、明子は静かに声を掛けた。
明子はちらりと小林に目を向けた。
小林はすでに机に突っ伏すように顔を伏せ、肩を震わせていた。
その背後にいる牧野は、イスごとこちらに背を向けてしまっている。
おそらく、必死に笑いをかみ殺しているにちがいない。
川田や木村は、呆気にとられた顔で島野を見ていた。
明子とて、美咲の目がなかったら、腹を抱えて笑い転げたいところだった。
(島野さん、無敵すぎですっ)
(すごいですっ)
(お願いですっ)
(早く広島から帰ってきてっ)
(このモンスターを、手玉にとって黙らせてっ)
女たらしを、まるで勲章のように自慢している、そんな百戦錬磨の色男を前に、美咲も言葉なく唖然とした様子で、島野を見ているしかないようだった。
「明日からは、仕事の席では、仕事用の服装をして、お化粧も仕事用にしてきなさい。職場に気を引きたい人がいるなら、尚のことだよ。仕事の席もデートの席も一緒じゃ、飽きれられるよ?」
その言葉に美咲の目は牧野に向けられて、振り返った牧野は、牙を向くような顔で島野をめねつけていた。
「リップの色が、ピンクから赤になったところで、興味のない男には判らないけどね。雰囲気が少し変わったくらいのことは、鈍くても判るもんだよ。職場で見せる姿とデートの席の姿は、分けておいたほうがいい。ギャップがあってね。そういうところに男は堕ちるよ」
試してみるといい。
にっこりとほほ笑みながらの島野の言葉に、今や毒気を抜かれたように大人しくなった美咲を見て、明子は静かに声を掛けた。