リスタート ~最後の恋を始めよう~ 【前編】
「総務や営業の女子社員は、みんな制服だけど、朝の身支度の時間は十分と掛からないわ。あなたたちも制服にすれば、きっと、身支度に掛かる時間は十分と掛からなくなるわよ。私は、あなたの言うとおり、ロクにお化粧もしていないおばさんだけど、総務の子も営業の子も、みんなきれいにしているわ。参考にしなさい」
「制服なんて」
「いやなら、九時にはちゃんと席について、お仕事をしなさい。そのための私服です。第一、お家を出てくるときに、お化粧はちゃんとしてるんでしょ? なのに、どうして、また会社で、あんなに時間を掛けて、お化粧し直さなきゃならないの?」
それが理解できないし判らないと言う明子に、美咲は完全に押し黙ってしまった。
おそらく、美咲自身には理由はないのだろう。
ロッカールームが寛いでいる香里たちに付き合って、そこに一緒にいる。
そんなところなのかもしれない。
美咲になにか言い分はあるのだろうかと待ってはみたが、その疑問に対する明解な返事はなさそうだと諦めた明子は、話しを締めくくるように美咲に言った。
「制服にして十分で身支度を整えるか、私服で九時には席について仕事をするか。好きなほうを選ばせてもらいなさい。それくらいの選択なら、部長もさせてくれるわよ」
会議室に戻りなさい。まだお話の途中よね。
明子の言葉に、美咲は下唇を少しだけ噛んで牧野を見た。
その視線に、ようやく、明子は少しだけ、美咲のことが理解できた。
(そっか、出てきちゃったから、余計、気になって、中にいられなくなっちゃったのね)
手に取るように判ってしまったその思考回路に、モンスターっていうよりもエイリアンかもしれないわと、そんなことを考えながら、明子も牧野を見た。
-行ってあげてくださいよ
-お弁当あげますから
伝わった明子のその懇願に、牧野はまた盛大なため息を吐き、立ち上がった。
「制服なんて」
「いやなら、九時にはちゃんと席について、お仕事をしなさい。そのための私服です。第一、お家を出てくるときに、お化粧はちゃんとしてるんでしょ? なのに、どうして、また会社で、あんなに時間を掛けて、お化粧し直さなきゃならないの?」
それが理解できないし判らないと言う明子に、美咲は完全に押し黙ってしまった。
おそらく、美咲自身には理由はないのだろう。
ロッカールームが寛いでいる香里たちに付き合って、そこに一緒にいる。
そんなところなのかもしれない。
美咲になにか言い分はあるのだろうかと待ってはみたが、その疑問に対する明解な返事はなさそうだと諦めた明子は、話しを締めくくるように美咲に言った。
「制服にして十分で身支度を整えるか、私服で九時には席について仕事をするか。好きなほうを選ばせてもらいなさい。それくらいの選択なら、部長もさせてくれるわよ」
会議室に戻りなさい。まだお話の途中よね。
明子の言葉に、美咲は下唇を少しだけ噛んで牧野を見た。
その視線に、ようやく、明子は少しだけ、美咲のことが理解できた。
(そっか、出てきちゃったから、余計、気になって、中にいられなくなっちゃったのね)
手に取るように判ってしまったその思考回路に、モンスターっていうよりもエイリアンかもしれないわと、そんなことを考えながら、明子も牧野を見た。
-行ってあげてくださいよ
-お弁当あげますから
伝わった明子のその懇願に、牧野はまた盛大なため息を吐き、立ち上がった。