リスタート ~最後の恋を始めよう~ 【前編】
「そのじいさん、沼田を褒めたって?」
「ええ。今日はがんばってよく喋ったなあと。とっても、判りやすくてよかったぞって」
「沼田。話しかけられたことあるのか? 今まで」
「ときどき、ありました」
「いつごろからだ?」
「一年……、くらい前、ですね。請求書の改修作業が、入ったころからだったような気が……」
「どんな話をした?」
「いろいろです。天気の話だったり、自分のブログに載せる写真の話だったり」
「はあ?! ブログとか、やってるって?」
「ええ。オンラインゲームなんかも、やられたりするみたいですね。一緒にやらないかとか」
「気が若いからなあ、あの人」
「そんな話をするときもあれば、いきなり、ドットネットってなんなんだ、とか、そんなことを聞かれたり」
矢継ぎ早の牧野と君島の問いかけに、沼田はやや不安げな顔で二人を交互に眺めた。
-戻ってたのか、あのじいさん。
牧野が、なんてこったというように額に手を当て「君島さん、気をつけねえと、危ねえかも」と言い、君島も苦笑しながら「そうだな」と頷いた。
「誰なんですか?」
目をくりくりさせて尋ねる明子に「先代社長だよ」と、牧野はため息混じりに答えた。
その回答に、明子はきょとんと牧野を見た。
「ええ。今日はがんばってよく喋ったなあと。とっても、判りやすくてよかったぞって」
「沼田。話しかけられたことあるのか? 今まで」
「ときどき、ありました」
「いつごろからだ?」
「一年……、くらい前、ですね。請求書の改修作業が、入ったころからだったような気が……」
「どんな話をした?」
「いろいろです。天気の話だったり、自分のブログに載せる写真の話だったり」
「はあ?! ブログとか、やってるって?」
「ええ。オンラインゲームなんかも、やられたりするみたいですね。一緒にやらないかとか」
「気が若いからなあ、あの人」
「そんな話をするときもあれば、いきなり、ドットネットってなんなんだ、とか、そんなことを聞かれたり」
矢継ぎ早の牧野と君島の問いかけに、沼田はやや不安げな顔で二人を交互に眺めた。
-戻ってたのか、あのじいさん。
牧野が、なんてこったというように額に手を当て「君島さん、気をつけねえと、危ねえかも」と言い、君島も苦笑しながら「そうだな」と頷いた。
「誰なんですか?」
目をくりくりさせて尋ねる明子に「先代社長だよ」と、牧野はため息混じりに答えた。
その回答に、明子はきょとんと牧野を見た。