リスタート ~最後の恋を始めよう~ 【前編】
「俺様は、顔だけが取り柄だからな」
「だから、それを自分で言うから、小林さんに謙虚を覚えろって言われるんですよ」
「事実に謙遜謙虚は必要ねえだろ。しかも、俺が作った事実じゃねえぞ。他人様が勝手に騒いで出来上がった事実だ。なんで謙虚謙遜がいるんだよ」
「はい。判りました。ご高説ごもっともです」
判りましたと言うまでもなく続くと思われるトークに音をあげて、明子はぐったりとした顔になった。
「で? なんで、俺の名前が出てきたんだよ?」
降参した明子に満足した様子で、牧野は謎を明かせと迫った。
「森口さんと、お式はいつなのなんて話をしていた流れで、なんとなく、ウチは来年は結婚ラッシュだわねえ、牧野さんとか独身組はどうなんでしょうねえと、そんな話になっただけですよ」
そこは少し脚色して、明子は牧野に伝える。
そのまま伝えたときの牧野の反応が怖かった。
「ふうん。俺かあ。どうなんだろうなあ」
「さあ。どうなんでしょう」
判りませんという明子に、牧野はチっと、つまらなそうに小さく舌を打った。
「そういえば。牧野さんの家、お花屋さんだったんですね。初めて知りました」
話を変えるように、明子はそんなことを切り出した。
「ああ。前は、駅東にな、自宅兼店舗があったんだけどな。ほれ、大学病院の前に、小さなテナントモールみたいなのができただろ?」
「あー。ケーキ屋さんとか、パン屋さんとか、美容院とか、何軒かいろんな専門店が入ったヤツ?」
「ん。店はそっちに移して、家もあっちのほうの住宅地の中に、二世帯住宅で建てたんだ。ちょうど、弟が結婚したころだったからな」
初めて聞く牧野の家族の話に、明子は「へえっ」と、小さく頷いた。
「だから、それを自分で言うから、小林さんに謙虚を覚えろって言われるんですよ」
「事実に謙遜謙虚は必要ねえだろ。しかも、俺が作った事実じゃねえぞ。他人様が勝手に騒いで出来上がった事実だ。なんで謙虚謙遜がいるんだよ」
「はい。判りました。ご高説ごもっともです」
判りましたと言うまでもなく続くと思われるトークに音をあげて、明子はぐったりとした顔になった。
「で? なんで、俺の名前が出てきたんだよ?」
降参した明子に満足した様子で、牧野は謎を明かせと迫った。
「森口さんと、お式はいつなのなんて話をしていた流れで、なんとなく、ウチは来年は結婚ラッシュだわねえ、牧野さんとか独身組はどうなんでしょうねえと、そんな話になっただけですよ」
そこは少し脚色して、明子は牧野に伝える。
そのまま伝えたときの牧野の反応が怖かった。
「ふうん。俺かあ。どうなんだろうなあ」
「さあ。どうなんでしょう」
判りませんという明子に、牧野はチっと、つまらなそうに小さく舌を打った。
「そういえば。牧野さんの家、お花屋さんだったんですね。初めて知りました」
話を変えるように、明子はそんなことを切り出した。
「ああ。前は、駅東にな、自宅兼店舗があったんだけどな。ほれ、大学病院の前に、小さなテナントモールみたいなのができただろ?」
「あー。ケーキ屋さんとか、パン屋さんとか、美容院とか、何軒かいろんな専門店が入ったヤツ?」
「ん。店はそっちに移して、家もあっちのほうの住宅地の中に、二世帯住宅で建てたんだ。ちょうど、弟が結婚したころだったからな」
初めて聞く牧野の家族の話に、明子は「へえっ」と、小さく頷いた。