リスタート ~最後の恋を始めよう~ 【前編】
「しかし。木村と、こんなことが話せる日がくるとはなあ。大人になったなあ」
「ホントに。まだランドセルを背負えそうな顔なのに。大人になったんですねえ」
「ひどいですよっ もう、成人式だって終わってますよっ」

そして、続けられた二人の言葉に、木村は「ひどいです」とまた言って、大いに憤慨した。

「木村。向こうのほうにもな、お前とじっくり、そういう話をしたがっているのがいるから」

話を聞いていた君島が、笑い声交じりにそう声をかけてきた。
はてと、首を傾げながら、木村は君島が指差す方向に目を向ける。
でへへと笑いながら、ブイサインを作っている野木を見て、川田がけらけらと笑い出した。
沼田がそんな野木に目を丸くしてから、森口に向かって「おめでとうございます」と頭を下げた。

「えぇーっ そうだったですかーっ」
「なんだか、春爛漫だな」

ようやく、全てを察した木村や渡辺たちが、どよめいて、それから歓声を上げた。
小林がくるりと振り返り牧野に目を向け、それから島野にも目を向けた。

「この三十路コンビは、いつ片付く予定だ?」
「俺は、一応、一度は片付きましたよ」
「小杉くん。これから式場を見に行こうか?」

牧野は小林に噛み付き、島野は明子に笑いかけた。

「トイプー。出番だっ」
「わんっ」

川田の呼びかけに、木村は条件反射のように島野に吼えた。
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