リスタート ~最後の恋を始めよう~ 【前編】
「手懐けると、楽しいんだけどな、あいつとの付き合いは。でもまあ、そう簡単には、本気で懐かないしな」
「人を見て選ぶからな。合格の基準がよく判らんが」
「なあ。島野なんか、毛嫌いするかと思ったら、あんがい、すぐに懐いたしなあ」
「最近やっとアレが懐いて、尻尾を振るようになってきたような気がすると、笹原さんが笑ってたよ」
「今日のどら焼きで、ほぼ確定したんじゃね?」
「俺は実家に帰ると、ます寿司を買うのがクセになったぞ、あいつのおかげで」
「懐いたら尽くし方も半端じゃねえけど、甘え方も半端じゃねえからなあ、アレ」
「ははは。お前、確か、アレと何度か、寝たことになってなかったか?」
君島と小林のやりとりを黙って聞いていた明子は、君島のその言葉に、思わず吹き出した。
沈みかけていた気持ちが、ふわりと浮かんできた。
そういえばと、そんな恐ろしくも怪しいウワサが、ひそひそと、あるいはがやがやと、流れたころがあったことを明子も思い出した。
聞いたときには、あの女好きと妻帯者を捕まえて、一体何を言っているのだろうと、笑い転げた記憶がある。
「三度の飯と同じくらい、女の子大好きってヤローと、愛し恋しの女房がいるヤローを捕まえて、誰がそんなことを言い出したんだか」
「ほんとですねえ。誰が言い出したんでしょうね」
「おかしいよなあ。小杉と一晩一緒にいたって、これっぽっちも、色っぽい話しなんか沸かなかったのに。なんであいつとは、そんなことになるんだろな」
「知るか。火があったから、煙が出たんだろうよ」
「まあ、小杉と一晩過ごしたのは会社だったけど、あいつはホテルだったな」
さらりと、天気の話でもするようなノリで落とされた爆弾発言に「それだろ」「それでしょう」と、君島と明子は声を揃えて小林に突っ込んだ。
「人を見て選ぶからな。合格の基準がよく判らんが」
「なあ。島野なんか、毛嫌いするかと思ったら、あんがい、すぐに懐いたしなあ」
「最近やっとアレが懐いて、尻尾を振るようになってきたような気がすると、笹原さんが笑ってたよ」
「今日のどら焼きで、ほぼ確定したんじゃね?」
「俺は実家に帰ると、ます寿司を買うのがクセになったぞ、あいつのおかげで」
「懐いたら尽くし方も半端じゃねえけど、甘え方も半端じゃねえからなあ、アレ」
「ははは。お前、確か、アレと何度か、寝たことになってなかったか?」
君島と小林のやりとりを黙って聞いていた明子は、君島のその言葉に、思わず吹き出した。
沈みかけていた気持ちが、ふわりと浮かんできた。
そういえばと、そんな恐ろしくも怪しいウワサが、ひそひそと、あるいはがやがやと、流れたころがあったことを明子も思い出した。
聞いたときには、あの女好きと妻帯者を捕まえて、一体何を言っているのだろうと、笑い転げた記憶がある。
「三度の飯と同じくらい、女の子大好きってヤローと、愛し恋しの女房がいるヤローを捕まえて、誰がそんなことを言い出したんだか」
「ほんとですねえ。誰が言い出したんでしょうね」
「おかしいよなあ。小杉と一晩一緒にいたって、これっぽっちも、色っぽい話しなんか沸かなかったのに。なんであいつとは、そんなことになるんだろな」
「知るか。火があったから、煙が出たんだろうよ」
「まあ、小杉と一晩過ごしたのは会社だったけど、あいつはホテルだったな」
さらりと、天気の話でもするようなノリで落とされた爆弾発言に「それだろ」「それでしょう」と、君島と明子は声を揃えて小林に突っ込んだ。