リスタート ~最後の恋を始めよう~ 【前編】
「けっこう、仲がいいんですね、牧野さんと」

明子の少し驚きが混じっているような声に、島野は流し目で明子を見た。

「まあ、ね。牧野課長とは、あまり親しくはありませんが」

牧野とはね。
にやっと片頬を歪め、意味ありげに、思わせぶりなことを言う島野に、明子は苦笑しながら、うんざりしたように肩を落とした。
仕事仲間ではなく、遊び仲間だよという言外の意を汲み取れるくらいは、明子でもできる。
なるほど、そういうことねと、明子はやれやれというように首を振る。
根こそぎ持っていかれると言って、苦笑いを浮かべていた君島を思い出した。
あの人とこの人がつるんで遊んでいたら、それはすごいことになりそうだわと、会社で聞いた君島のあのぼやきに、ようやく、明子も頷けた。

「弾けると、すごいそうですねえ」

からかうように言った明子のその言葉に、島野は意外な反応を見せた。

「誰から、聞いたんだ」

やや険しい顔つきで、思いがけず、硬いその声色に、明子の顔が強張った。

「君島さんからですけど」
「君島さんか」

なら、大丈夫かな。
怖々とした声でそう答えた明子に、低い声で島野はぽつりとそう呟いた。
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