リスタート ~最後の恋を始めよう~ 【前編】
「久しぶりだなあ。女の子の柔らかい体。広島じゃ、大人しくしてろって、きっちり釘を刺されてるからなあ。怖い上司から」
このまま、ホテルにでも行こうか?
にやっと、不遜な笑みを浮かべてからかう島野に、明子は顔を強ばらせる。
けれど、島野を睨みつけるその眼差しはきつく、静かな怒りが込められていた。
「いいな。その目。本気で泣かせてみたくなるな」
餌を狙う肉食獣を思わせる島野の眼差しに、明子を微かに唇を震わせるが、それでも島野から目を反らすことなく見据え続ける。
しばし、張り詰めた沈黙が続き、島野は、ゆるりと表情を和らげた。
「こんなていどのことで、そんなだから。牧野も隠しているんだよ。キミが見たくないと思っている、雄の部分をね」
「こんなていどって……」
悔しさと恥かしさと怒りと。
いろんな感情がない混ぜになって、涙が溢れ出そうになった。
ふざけるにしても、酷すぎる。
島野からのあまりの仕打ちに、唇が戦慄いてきた。
「牧野も見たことない泣き顔を、見られるかな?」
ふふ、と。
それもいいなと、愉快そうな島野のその声に、明子は涙を堪える。
そう、牧野の前では、絶対に泣かないと決めていた。
甘えるなと言われたくなくて。
いつも、必至に堪えていた。
その涙を、こんなふうに見られるのはイヤだと、明子は涙を堪える。
このまま、ホテルにでも行こうか?
にやっと、不遜な笑みを浮かべてからかう島野に、明子は顔を強ばらせる。
けれど、島野を睨みつけるその眼差しはきつく、静かな怒りが込められていた。
「いいな。その目。本気で泣かせてみたくなるな」
餌を狙う肉食獣を思わせる島野の眼差しに、明子を微かに唇を震わせるが、それでも島野から目を反らすことなく見据え続ける。
しばし、張り詰めた沈黙が続き、島野は、ゆるりと表情を和らげた。
「こんなていどのことで、そんなだから。牧野も隠しているんだよ。キミが見たくないと思っている、雄の部分をね」
「こんなていどって……」
悔しさと恥かしさと怒りと。
いろんな感情がない混ぜになって、涙が溢れ出そうになった。
ふざけるにしても、酷すぎる。
島野からのあまりの仕打ちに、唇が戦慄いてきた。
「牧野も見たことない泣き顔を、見られるかな?」
ふふ、と。
それもいいなと、愉快そうな島野のその声に、明子は涙を堪える。
そう、牧野の前では、絶対に泣かないと決めていた。
甘えるなと言われたくなくて。
いつも、必至に堪えていた。
その涙を、こんなふうに見られるのはイヤだと、明子は涙を堪える。