リスタート ~最後の恋を始めよう~ 【前編】
「故障? よりにもよって、このタイミングで?」
さては、不運も幸運も引き寄せる、牧野大明神がいましたね。
明子は仕分け作業をしながら、おどけた口調で小林にそう尋ねる。
明子の言葉に、小林はわははと笑い転げた。
「だよな。やっぱり、そうだよな。あいつだよな。引き寄せたの」
「他に理由はありません」
きっぱりと断言する明子に、小林はまたケタケタと声を上げて笑い、眦に指を当てた。
「まあ、いつから故障していたかは、正直、謎だな。ドンガラガンってカミナリきたら、電気が消えちまって。すぐに復旧したけど、今夜はもう仕事は無理だべってことでサーバー落としに行ったら、ウチで使っている一台が落ちてた」
「はあ」
「とりあえず、課長さんと相談して、立ち上げて問題がないかだけ確認してから帰るかってなったんだけどな、ただ、そもそも、なんでUPSがダメなんだよって話になってな」
「そりゃ、まあ。そうでしよね」
「どうせなら、外して中を開けてみるかって。で、開けたらビックリ玉手箱」
「煙がモクモク?」
「いや、さすがに煙は出なかったけどな」
明子のそんな切り替えしに、小林は徹夜明けもなんのそのという明るい声で笑う。
「バッテリーが膨張して、液垂れしてた」
「……、なんでです?」
「だからな、なんでは聞くな。俺にも判らんから。ただ、寿命過ぎると、そういう状態になることがあるらしいんだ」
「そうなんですか?」
唇を少し尖らせた顔で、ふぅんっと明子は感心したように頷いた。
こういう仕事をしていながら、あまりハードウェアについては詳しくなかった。
だから、バッテリーって膨張したりするもんなのねえと、そんなことに妙に感心してしまった。
さては、不運も幸運も引き寄せる、牧野大明神がいましたね。
明子は仕分け作業をしながら、おどけた口調で小林にそう尋ねる。
明子の言葉に、小林はわははと笑い転げた。
「だよな。やっぱり、そうだよな。あいつだよな。引き寄せたの」
「他に理由はありません」
きっぱりと断言する明子に、小林はまたケタケタと声を上げて笑い、眦に指を当てた。
「まあ、いつから故障していたかは、正直、謎だな。ドンガラガンってカミナリきたら、電気が消えちまって。すぐに復旧したけど、今夜はもう仕事は無理だべってことでサーバー落としに行ったら、ウチで使っている一台が落ちてた」
「はあ」
「とりあえず、課長さんと相談して、立ち上げて問題がないかだけ確認してから帰るかってなったんだけどな、ただ、そもそも、なんでUPSがダメなんだよって話になってな」
「そりゃ、まあ。そうでしよね」
「どうせなら、外して中を開けてみるかって。で、開けたらビックリ玉手箱」
「煙がモクモク?」
「いや、さすがに煙は出なかったけどな」
明子のそんな切り替えしに、小林は徹夜明けもなんのそのという明るい声で笑う。
「バッテリーが膨張して、液垂れしてた」
「……、なんでです?」
「だからな、なんでは聞くな。俺にも判らんから。ただ、寿命過ぎると、そういう状態になることがあるらしいんだ」
「そうなんですか?」
唇を少し尖らせた顔で、ふぅんっと明子は感心したように頷いた。
こういう仕事をしていながら、あまりハードウェアについては詳しくなかった。
だから、バッテリーって膨張したりするもんなのねえと、そんなことに妙に感心してしまった。