リスタート ~最後の恋を始めよう~ 【前編】
「お。朝飯が来た」
「今日は特別ですからねっ 敵をガツンと懲らしめてきてくださいよっ」
「おう。容赦はしねえ。こてんぱんにしてやらなあ」
そんなことを言いながらも、遠慮の欠片もなく、牧野が机に並べたサンドイッチを食べ始めようとしたとき、机を勢いよく叩く音がした。
その音に吸い寄せられたように、明子の目はその方向に向けられる。
怒りながらも、泣きだしそうな顔をした美咲が、ガタンと音を立てながら席を立ち上がると、飛び出すようにして部屋を出て行った。
一瞬、部屋が静まり返り、小林が「困ったヒメさんだな」と、ぼやきながらため息を吐く。
「なんだって、こんな時間に出てきたんだ、あのお嬢様?」
「さあ? 昨日、絞られたからじゃないですか?」
君島の不思議そうな声に、牧野も首を傾げている。
「で。なにを怒ってるんだ?」
「さあ? 俺にはさっぱり、謎な生き物で」
のんきなその会話に「はい、心当たりあるます、課長」と小林が手を挙げた。
「なにをしたんです?」
「さっき、なんか、きゃくきゃん喚いていたろ」
「ああ。なんだったんだ、アレ?」
「小杉がな、牧野の机の上を片付けていたのが気に入らなくて、怒っていたらしい。な?」
「そう、ですねえ。勝手に弄らないようにって」
「なんで、そんなことを、あのお嬢様が指図すんだよ」
「知りませんよ」
「牧野課長が、前に、勝手に触るなと怒ったからですよ」
「そんなことを言われても。しっちゃかめっちゃかにされちまったんですもん」
「自分がそう注意されたから、したり顔で、小杉主任にも勝手に触るなと、喚いていたようですよ」
「えーん。ごめんなさーい。もうおかたづけしませーん」
「うるせ、やれ」
「その机は小杉が片付けてくれないと、笹原部長の機嫌が悪くなるからやってくれ」
「そうだ、そうだ」
「そうだじゃないです。牧野さんがお片付けすれはいいんですよっ」
「ムリ」「ムリだろう」「ムリだな」
三者三様で口を揃えられ、明子はまた頭を垂れた。
「今日は特別ですからねっ 敵をガツンと懲らしめてきてくださいよっ」
「おう。容赦はしねえ。こてんぱんにしてやらなあ」
そんなことを言いながらも、遠慮の欠片もなく、牧野が机に並べたサンドイッチを食べ始めようとしたとき、机を勢いよく叩く音がした。
その音に吸い寄せられたように、明子の目はその方向に向けられる。
怒りながらも、泣きだしそうな顔をした美咲が、ガタンと音を立てながら席を立ち上がると、飛び出すようにして部屋を出て行った。
一瞬、部屋が静まり返り、小林が「困ったヒメさんだな」と、ぼやきながらため息を吐く。
「なんだって、こんな時間に出てきたんだ、あのお嬢様?」
「さあ? 昨日、絞られたからじゃないですか?」
君島の不思議そうな声に、牧野も首を傾げている。
「で。なにを怒ってるんだ?」
「さあ? 俺にはさっぱり、謎な生き物で」
のんきなその会話に「はい、心当たりあるます、課長」と小林が手を挙げた。
「なにをしたんです?」
「さっき、なんか、きゃくきゃん喚いていたろ」
「ああ。なんだったんだ、アレ?」
「小杉がな、牧野の机の上を片付けていたのが気に入らなくて、怒っていたらしい。な?」
「そう、ですねえ。勝手に弄らないようにって」
「なんで、そんなことを、あのお嬢様が指図すんだよ」
「知りませんよ」
「牧野課長が、前に、勝手に触るなと怒ったからですよ」
「そんなことを言われても。しっちゃかめっちゃかにされちまったんですもん」
「自分がそう注意されたから、したり顔で、小杉主任にも勝手に触るなと、喚いていたようですよ」
「えーん。ごめんなさーい。もうおかたづけしませーん」
「うるせ、やれ」
「その机は小杉が片付けてくれないと、笹原部長の機嫌が悪くなるからやってくれ」
「そうだ、そうだ」
「そうだじゃないです。牧野さんがお片付けすれはいいんですよっ」
「ムリ」「ムリだろう」「ムリだな」
三者三様で口を揃えられ、明子はまた頭を垂れた。