リスタート ~最後の恋を始めよう~ 【前編】
ロッカールームのドアを開けると、いつもの奥のコーナーからだろう。
泣いている美咲の声と、それを慰めているいくつかの声があった。
(もう、泣きたいのはこっちよ)
(というか、もしかして、さっき安藤くんがぶつかってきた原因って……)
(これ?)
(勘弁してよぉ)
(でもって、給湯室のヒソヒソも、これ?)
出戻りのお局様が、お嬢様を泣かせているなどとウワサされているのだろうか。
それは本当に勘弁してほしいと、肩を落とす。
そんなふうに泣くくらいなら、どうして、ちゃんと認めてもらうための努力をしないのかなあと、間違った努力で認めてもらえないと地団駄を踏んで駄々をこねているようにしか思えない美咲と。
そんな美咲に寄生しているような取り巻きと。
そんな美咲たちに付き合っている社員たちに。
明子は頭痛を覚えつつ、湿った重いため息を零した。
それでも、仕方がないと思い切って、明子は入り口から中に向かって声をかけた。
「原田さん。いる? いるなら、君島課長が待ってるから、急いで行って」
美咲の泣き声以外の声が止む。
けれど、幸恵が明子の前に姿を見せる気配はなかった。
ここにはいないのだろうかと訝しく思いながら、明子は気合いを入れると、ドアを開け放したまま奥へと足を運んだ。
人数は減っているものの、それでも、美咲を中心とした七人の女子社員の姿がそこにあった。
(七人の敵、)
(かあ)
そんなことを考えたら、明子は笑い出しそうになった。
泣いている美咲の声と、それを慰めているいくつかの声があった。
(もう、泣きたいのはこっちよ)
(というか、もしかして、さっき安藤くんがぶつかってきた原因って……)
(これ?)
(勘弁してよぉ)
(でもって、給湯室のヒソヒソも、これ?)
出戻りのお局様が、お嬢様を泣かせているなどとウワサされているのだろうか。
それは本当に勘弁してほしいと、肩を落とす。
そんなふうに泣くくらいなら、どうして、ちゃんと認めてもらうための努力をしないのかなあと、間違った努力で認めてもらえないと地団駄を踏んで駄々をこねているようにしか思えない美咲と。
そんな美咲に寄生しているような取り巻きと。
そんな美咲たちに付き合っている社員たちに。
明子は頭痛を覚えつつ、湿った重いため息を零した。
それでも、仕方がないと思い切って、明子は入り口から中に向かって声をかけた。
「原田さん。いる? いるなら、君島課長が待ってるから、急いで行って」
美咲の泣き声以外の声が止む。
けれど、幸恵が明子の前に姿を見せる気配はなかった。
ここにはいないのだろうかと訝しく思いながら、明子は気合いを入れると、ドアを開け放したまま奥へと足を運んだ。
人数は減っているものの、それでも、美咲を中心とした七人の女子社員の姿がそこにあった。
(七人の敵、)
(かあ)
そんなことを考えたら、明子は笑い出しそうになった。