リスタート ~最後の恋を始めよう~ 【前編】
ガタンと大きな物音をたてて、香里が勢いよく立ち上がった。
-バカみたい。
-女の子に仕事仕事って。
-さいてー。
-バカみたい。
泣き声にも似た小さな声でそう言うと、沙紀を促して美咲を抱えるようにして部屋を出でいった。
「ありゃ、ダメですね」
川田がぼそりと呟いた。
かまうもんかと、小林は鼻で笑い飛ばした。
「さてと。お喋りはこれくらいにしておいて、そろそろ、お仕事に戻ろうか。ちと、休憩が長すぎた。まあ、言いたいことが言えて、少しはすっきりしたけどな」
その言葉で、やっと日常に戻った室内で、みなめいめいに自分の仕事に取りかかり始める。
「少しですか?」
「少しだな。一番のモヤモヤがどうにもならん」
川田の笑いながらの問いかけに、そう言って肩を竦めた小林は「このバカめ」と言って、明子に消しゴムをこつんとぶつけた。
なにするんですかと口を開きかけて、明子はその言葉を飲み込んだ。
「原田っ どこに行くんだっ 仕事があるだろっ」
あんな連中、追いかけてどうするんだよっ
幸恵を叱咤する野木のその声に振り返ると、立ち上がり美咲たちの後を追いかけようとしている幸恵の姿があった。
そして、そんな幸恵を野木は引き留めていた。
「もう、いい加減にしろよ。今の小林係長の言葉、聞いていただろう。ホントのことだぞ。今のままじゃ、マジで、会社に居場所がなくなるぞ、お前」
それでいいのか?
その言葉に足を止めて、迷っている様子で立ちすくんでいる幸恵に「原田。仕事しろ。な」と、野木はもう一度、静かな声をかけた。
-バカみたい。
-女の子に仕事仕事って。
-さいてー。
-バカみたい。
泣き声にも似た小さな声でそう言うと、沙紀を促して美咲を抱えるようにして部屋を出でいった。
「ありゃ、ダメですね」
川田がぼそりと呟いた。
かまうもんかと、小林は鼻で笑い飛ばした。
「さてと。お喋りはこれくらいにしておいて、そろそろ、お仕事に戻ろうか。ちと、休憩が長すぎた。まあ、言いたいことが言えて、少しはすっきりしたけどな」
その言葉で、やっと日常に戻った室内で、みなめいめいに自分の仕事に取りかかり始める。
「少しですか?」
「少しだな。一番のモヤモヤがどうにもならん」
川田の笑いながらの問いかけに、そう言って肩を竦めた小林は「このバカめ」と言って、明子に消しゴムをこつんとぶつけた。
なにするんですかと口を開きかけて、明子はその言葉を飲み込んだ。
「原田っ どこに行くんだっ 仕事があるだろっ」
あんな連中、追いかけてどうするんだよっ
幸恵を叱咤する野木のその声に振り返ると、立ち上がり美咲たちの後を追いかけようとしている幸恵の姿があった。
そして、そんな幸恵を野木は引き留めていた。
「もう、いい加減にしろよ。今の小林係長の言葉、聞いていただろう。ホントのことだぞ。今のままじゃ、マジで、会社に居場所がなくなるぞ、お前」
それでいいのか?
その言葉に足を止めて、迷っている様子で立ちすくんでいる幸恵に「原田。仕事しろ。な」と、野木はもう一度、静かな声をかけた。