リスタート ~最後の恋を始めよう~ 【前編】
終礼の時刻になっても、牧野は戻らなかった。
小林の仕切りで終礼が始まる。
その最中に、ある客先から電話が入り、明子が対応していたその間に終礼も終わっていた。
ようやくその電話が片付いて、まずは幸恵と話をしようと明子は振り返ったが、その姿はすでにそこにはなかった。
そういえば、電話で話をしていたときに、野木が幸恵を呼び止めていたような気がするかもと思いつつ、主のいない席を、唖然としながら明子は眺めているしかなかった。
それに気づいた沼田が、申し訳なさそうに頭を下げた。
「すいません。帰ってしまいました。野木主任が追いかけてはいったんですけど」
「引きずってくるわけいかないものね。そう、か。原田さんは、定時で帰ることが多いのかな?」
「そう……、ですね。最近は、特に」
前は、もう少しちゃんとしていたんだけどなと、沼田が残念そうに呟いた。
そこに、野木が「あのバカ」と言いながら戻ってきた。
「小杉主任。すいません。原田、あがっちまいました」
「はい。判りました。進捗は明日の朝、確認します」
「すいません。多分。なにもできてないと思いますけど。ケータイばかり弄っていて、仕事している様子が全然なかったんで」
あいつのケータイ、どうにかならねえかな。
苛立ったような野木の声に「取り上げるわけいかないしねえ」と、明子は苦笑い交じりに答えるしかなかった。
「営業のほうの概要、あるていどまとまったら、沼田を入れますから」
悪いけど、頼む。
川田の言葉に、沼田は当然というように頷いていた。
「小杉主任。いいか?」
小林に呼ばれて、明子は慌てて小林に向き直った。
電話の件も含めて、終礼に参加できなかった明子は、まだ小林に進捗状況の報告をしていなかった。
小林の仕切りで終礼が始まる。
その最中に、ある客先から電話が入り、明子が対応していたその間に終礼も終わっていた。
ようやくその電話が片付いて、まずは幸恵と話をしようと明子は振り返ったが、その姿はすでにそこにはなかった。
そういえば、電話で話をしていたときに、野木が幸恵を呼び止めていたような気がするかもと思いつつ、主のいない席を、唖然としながら明子は眺めているしかなかった。
それに気づいた沼田が、申し訳なさそうに頭を下げた。
「すいません。帰ってしまいました。野木主任が追いかけてはいったんですけど」
「引きずってくるわけいかないものね。そう、か。原田さんは、定時で帰ることが多いのかな?」
「そう……、ですね。最近は、特に」
前は、もう少しちゃんとしていたんだけどなと、沼田が残念そうに呟いた。
そこに、野木が「あのバカ」と言いながら戻ってきた。
「小杉主任。すいません。原田、あがっちまいました」
「はい。判りました。進捗は明日の朝、確認します」
「すいません。多分。なにもできてないと思いますけど。ケータイばかり弄っていて、仕事している様子が全然なかったんで」
あいつのケータイ、どうにかならねえかな。
苛立ったような野木の声に「取り上げるわけいかないしねえ」と、明子は苦笑い交じりに答えるしかなかった。
「営業のほうの概要、あるていどまとまったら、沼田を入れますから」
悪いけど、頼む。
川田の言葉に、沼田は当然というように頷いていた。
「小杉主任。いいか?」
小林に呼ばれて、明子は慌てて小林に向き直った。
電話の件も含めて、終礼に参加できなかった明子は、まだ小林に進捗状況の報告をしていなかった。