リスタート ~最後の恋を始めよう~ 【前編】
仕事が一区切りついて、そろそろ帰ろうかなと、明子は時間を確認した。
テスト仕様はとうに仕上がっていたのだが、明日からの幸恵への指導を考え出したら、いつの間にか二十一時を過ぎていた。
次のバスが来るまで、十五分ほど時間があった。
そのバスだと明子が乗る電車が来るまでに、駅で四十分ほど待たなければならない。
乗り合わせを考えると、次のバスまで待っていたほうがいい時間だった。
この時間にもなると、駅周辺の店も飲食店以外はほとんどが閉まってしまう。
時間を潰すとしたらファストフードのような店くらいしかなかった。
間が悪いなあと、明子はしゅんと息を吐いた。
そろそろ、自分も車通勤に切り替えたほうがいいのかもしれないなと、そんなことを疲れた頭で明子は考えた。
同じように仕事に区切りがついた様子の沼田が、明子の様子を見て、駅まで送りますとか尋ねてきた。
けれど、明子は首を振って断った。
島野の一件のあとで、また誰かの車に乗る気にはなれなかった。
沼田も必要以上に、明子を同乗を勧めるようなことはしなかった。
「サーバー、どうしますか? 落としてもいいなら、そちらのも落としますけど?」
「お願いします」
沼田の問いかけにそう答えて、明子もパソコンを落とした。
サーバー機を落とし、お先に失礼しますと告げる沼田に「お疲れ様です」と挨拶を返した明子は、笹原の言葉を思い出し、以前、牧野から貰った簿記試験に関する資料を引き出しから出した。
まだ日程など細かいことを確認していなかった。
(そう言えば……)
(牧野さんも、ちゃんと見たかって気にしてたかも)
それを尋ねてきた牧野の微妙な顔つきが、明子は脳裏をかすめた。
テスト仕様はとうに仕上がっていたのだが、明日からの幸恵への指導を考え出したら、いつの間にか二十一時を過ぎていた。
次のバスが来るまで、十五分ほど時間があった。
そのバスだと明子が乗る電車が来るまでに、駅で四十分ほど待たなければならない。
乗り合わせを考えると、次のバスまで待っていたほうがいい時間だった。
この時間にもなると、駅周辺の店も飲食店以外はほとんどが閉まってしまう。
時間を潰すとしたらファストフードのような店くらいしかなかった。
間が悪いなあと、明子はしゅんと息を吐いた。
そろそろ、自分も車通勤に切り替えたほうがいいのかもしれないなと、そんなことを疲れた頭で明子は考えた。
同じように仕事に区切りがついた様子の沼田が、明子の様子を見て、駅まで送りますとか尋ねてきた。
けれど、明子は首を振って断った。
島野の一件のあとで、また誰かの車に乗る気にはなれなかった。
沼田も必要以上に、明子を同乗を勧めるようなことはしなかった。
「サーバー、どうしますか? 落としてもいいなら、そちらのも落としますけど?」
「お願いします」
沼田の問いかけにそう答えて、明子もパソコンを落とした。
サーバー機を落とし、お先に失礼しますと告げる沼田に「お疲れ様です」と挨拶を返した明子は、笹原の言葉を思い出し、以前、牧野から貰った簿記試験に関する資料を引き出しから出した。
まだ日程など細かいことを確認していなかった。
(そう言えば……)
(牧野さんも、ちゃんと見たかって気にしてたかも)
それを尋ねてきた牧野の微妙な顔つきが、明子は脳裏をかすめた。