リスタート ~最後の恋を始めよう~ 【前編】
「そうだ。勉強で思い出したんだけど。木村くん。二月の簿記試験はどうするの?」
唐突に、明子からそう切り出され、首を傾げながらも「受けますよ」と当然という顔で答える木村に、明子は念のため確認した。
「試験、お式の次の日だけど、大丈夫そう?」
「へ?! あ! あー!!」
木村はようやく、その事実に気づいたように「忘れてたー」と、天を仰いだ。
やっばり忘れていたわねと、木村らしいといえば、木村らしいそのオチに、明子は笑うしかなかった。
「無理、ですかね」
ありゃりゃと頭を掻いている木村に、明子は挙式後の予定を尋ねた。
「新婚旅行、次の日から行くとか?」
「いえ。三月に入ると、すぐに彼女のところが忙しくなりますし。卒業式シーズンですからね。ウチも年度末は大変な時期じゃないですか」
「そうね。ばたばたと、駆け込みの仕事も入るしね。四月も忙しいんじゃないの。彼女のお店」
「ええ。入学式とかありますしね。だから、ゴールデンウィークが明けたら、どこか国内で行ってこようかって、彼女とは話してるんですけど」
おばちゃんの容態次第かなって。
少しだけ沈んだ声でそう言葉を続けた木村に、明子も「そうか」と答えるしかなかった。
「そっか。試験か。どうしよ。特に予定は、ないはずなんですけど」
木村が気を取り直したように、明るい声で「悩むなあ」と、頭を捻り始めた。
「新婚旅行とかの予定がないなら、日程的には問題ないんじゃないかな。まあ、体力的にきついかもだけど」
「ですよねえ。ここはやっぱり、百本ノックの洗礼を受けて、鍛えてもらわないとダメですかね」
小林の言葉を思い出したのか、ことさら真面目な口ぶりでそういう木村に、明子はあははと笑い出した。
唐突に、明子からそう切り出され、首を傾げながらも「受けますよ」と当然という顔で答える木村に、明子は念のため確認した。
「試験、お式の次の日だけど、大丈夫そう?」
「へ?! あ! あー!!」
木村はようやく、その事実に気づいたように「忘れてたー」と、天を仰いだ。
やっばり忘れていたわねと、木村らしいといえば、木村らしいそのオチに、明子は笑うしかなかった。
「無理、ですかね」
ありゃりゃと頭を掻いている木村に、明子は挙式後の予定を尋ねた。
「新婚旅行、次の日から行くとか?」
「いえ。三月に入ると、すぐに彼女のところが忙しくなりますし。卒業式シーズンですからね。ウチも年度末は大変な時期じゃないですか」
「そうね。ばたばたと、駆け込みの仕事も入るしね。四月も忙しいんじゃないの。彼女のお店」
「ええ。入学式とかありますしね。だから、ゴールデンウィークが明けたら、どこか国内で行ってこようかって、彼女とは話してるんですけど」
おばちゃんの容態次第かなって。
少しだけ沈んだ声でそう言葉を続けた木村に、明子も「そうか」と答えるしかなかった。
「そっか。試験か。どうしよ。特に予定は、ないはずなんですけど」
木村が気を取り直したように、明るい声で「悩むなあ」と、頭を捻り始めた。
「新婚旅行とかの予定がないなら、日程的には問題ないんじゃないかな。まあ、体力的にきついかもだけど」
「ですよねえ。ここはやっぱり、百本ノックの洗礼を受けて、鍛えてもらわないとダメですかね」
小林の言葉を思い出したのか、ことさら真面目な口ぶりでそういう木村に、明子はあははと笑い出した。