リスタート ~最後の恋を始めよう~ 【前編】
「なんか。水曜日って、ヘンに疲れますよね」
「そうねえ。中だるみってわけじゃないけど。気が緩むっていうか、気が張らないわよね」
バスに揺られながらのんびりとした口調で、木村とそんな会話を交わしつつ、明子はぐるりと首を回した。
ボキボキと音をたてる明子の首に、木村は「ホントに、お疲れですねえ」と言い、目尻に小皺を寄せた。
「来週って、水曜が休みですよね。けっこう、有給とって大型連休にしている人、多いみたいですよね」
「休み?」
なんのことだろうと目をぱちくりとさせている明子に「祝日ですよ」と、木村はやや苦笑い気味に笑う。
「勤労感謝の日だっけ」
「そうですよ。主任はとくに、感謝してもらったほうがいいですよ、今年は」
「別に感謝はいらないから、仕事に集中させてー。もしくは休ませてー」
「あれ? 主任って確か、文化の日に出勤していましたよね? 代休、取れるんじゃないんですか?」
「あ。そうだわ。出勤した」
木村に言われて今さらながらにその事実を思い出した明子は、うんうんと小さく頷いた。
「そうそう。牧野のバカめが、いきなり仕事をいれたのよ。それで、係長と二人で、休日を返上してお仕事マンに変身したのよ。世間様がお休みの日に」
「バカめって」
明子のその言いように、それを聞いた木村は「部長とか君島課長とか以外に、課長をそんなふうに言えるのは、主任くらいですね。あ、係長もか」と、苦笑していた。
「主任、有給だって、そんなに消化していないじゃないですか。冗談抜きで、少し休んだほうがいいですよ」
あまり休みを取らない明子に、木村が心配そうな声をあげる。
しかし明子は「そうよねえ、代休かあ」と、のんきに声をあげるだけだった。
「そうねえ。中だるみってわけじゃないけど。気が緩むっていうか、気が張らないわよね」
バスに揺られながらのんびりとした口調で、木村とそんな会話を交わしつつ、明子はぐるりと首を回した。
ボキボキと音をたてる明子の首に、木村は「ホントに、お疲れですねえ」と言い、目尻に小皺を寄せた。
「来週って、水曜が休みですよね。けっこう、有給とって大型連休にしている人、多いみたいですよね」
「休み?」
なんのことだろうと目をぱちくりとさせている明子に「祝日ですよ」と、木村はやや苦笑い気味に笑う。
「勤労感謝の日だっけ」
「そうですよ。主任はとくに、感謝してもらったほうがいいですよ、今年は」
「別に感謝はいらないから、仕事に集中させてー。もしくは休ませてー」
「あれ? 主任って確か、文化の日に出勤していましたよね? 代休、取れるんじゃないんですか?」
「あ。そうだわ。出勤した」
木村に言われて今さらながらにその事実を思い出した明子は、うんうんと小さく頷いた。
「そうそう。牧野のバカめが、いきなり仕事をいれたのよ。それで、係長と二人で、休日を返上してお仕事マンに変身したのよ。世間様がお休みの日に」
「バカめって」
明子のその言いように、それを聞いた木村は「部長とか君島課長とか以外に、課長をそんなふうに言えるのは、主任くらいですね。あ、係長もか」と、苦笑していた。
「主任、有給だって、そんなに消化していないじゃないですか。冗談抜きで、少し休んだほうがいいですよ」
あまり休みを取らない明子に、木村が心配そうな声をあげる。
しかし明子は「そうよねえ、代休かあ」と、のんきに声をあげるだけだった。