リスタート ~最後の恋を始めよう~ 【前編】
「それが、すぐ結婚して、仕事を辞めることなって。それで、第二システム部の送別会とは別に、同期だけで集まっての送別会もやったんですけどね。酔っぱらった原田が三宅に絡んじゃって。大変だったんですよ」
「酔うと、人に絡むタイプなんだ?」
「というか、寿退社だったから、かな。ずるいずるいって。結婚なんか興味ないような顔して、ずっと働くみたいなことを言ってて、なのに、すぐに男を捕まえて辞めるなんて、ずるいって」
正直、聞いててイヤになりました。
湿ったため息とともに吐き出されたその言葉に、明子も気が滅入りそうになってきた。
「そのころは、三宅が赤木さんのところを担当していたんですよ」
「そうなんだ」
「だから、インストール作業とかがあると、伊東さんと一緒に行くことがよくあって。それで、親しくなって付き合うようになったらしいんですけど」
「へえ」
「原田には、それも面白くなかったんですよね。自分が二課に配属されていれば、伊東さんと結婚していたのは自分だったのにって、そう言って。ずっと、ずるいずるいって」
明子は盛大に息を吐き出して、首を振った。
「人の縁って、そういうものじゃないんだけどね」
「ですよねえ」
「そのころの原田さんが、どんな子だったかは知らないけど。それって、三宅さんって人だから、任せられていた仕事だったんでしょ。こう言っちゃ失礼だけどさ、原田さんにだったら任せなかったんじゃないかあ。そのころの原田さんは、そういう仕事を任せて貰えるような感じだったの?」
「あー。そういう意味では……ね、原田は変わらないです。入社したときからはずっと、とにかく、なんでも人を頼ってばかりだったし」
木村からのその回答に苦笑しながら、明子も「やっぱり、そうよね」とそれに頷いた。
「それからすぐ、ヒメたちが入って来て。そこからかんかな。なんか、様子がおかしくなってきちゃって。あいつらと、一緒に仕事中でもフラフラするようになって、見た目もチャラチャラしてきちゃって。当然、仕事には全然、身が入らなくなって」
「時期的に、いろいろと重なっちゃったのね」
「そう、かもです。一応、同期の連中と注意したことはあるんですよ。そりゃあ、僕らもチャラっとしてるけど、あいつはちょっとマズいだろうって。あんなのと一緒になって、なにしてんだよって」
その当時のことを思い返しながらの木村の声は、少し怒って、少し悲しそうだった。
「酔うと、人に絡むタイプなんだ?」
「というか、寿退社だったから、かな。ずるいずるいって。結婚なんか興味ないような顔して、ずっと働くみたいなことを言ってて、なのに、すぐに男を捕まえて辞めるなんて、ずるいって」
正直、聞いててイヤになりました。
湿ったため息とともに吐き出されたその言葉に、明子も気が滅入りそうになってきた。
「そのころは、三宅が赤木さんのところを担当していたんですよ」
「そうなんだ」
「だから、インストール作業とかがあると、伊東さんと一緒に行くことがよくあって。それで、親しくなって付き合うようになったらしいんですけど」
「へえ」
「原田には、それも面白くなかったんですよね。自分が二課に配属されていれば、伊東さんと結婚していたのは自分だったのにって、そう言って。ずっと、ずるいずるいって」
明子は盛大に息を吐き出して、首を振った。
「人の縁って、そういうものじゃないんだけどね」
「ですよねえ」
「そのころの原田さんが、どんな子だったかは知らないけど。それって、三宅さんって人だから、任せられていた仕事だったんでしょ。こう言っちゃ失礼だけどさ、原田さんにだったら任せなかったんじゃないかあ。そのころの原田さんは、そういう仕事を任せて貰えるような感じだったの?」
「あー。そういう意味では……ね、原田は変わらないです。入社したときからはずっと、とにかく、なんでも人を頼ってばかりだったし」
木村からのその回答に苦笑しながら、明子も「やっぱり、そうよね」とそれに頷いた。
「それからすぐ、ヒメたちが入って来て。そこからかんかな。なんか、様子がおかしくなってきちゃって。あいつらと、一緒に仕事中でもフラフラするようになって、見た目もチャラチャラしてきちゃって。当然、仕事には全然、身が入らなくなって」
「時期的に、いろいろと重なっちゃったのね」
「そう、かもです。一応、同期の連中と注意したことはあるんですよ。そりゃあ、僕らもチャラっとしてるけど、あいつはちょっとマズいだろうって。あんなのと一緒になって、なにしてんだよって」
その当時のことを思い返しながらの木村の声は、少し怒って、少し悲しそうだった。