リスタート ~最後の恋を始めよう~ 【前編】
「ホントに。困ったダメ男さんですね」
明子はことさら明るい声でそう言って、牧野を笑った。
軽い世間話のようなノリで、さらりと話してくれたが、その当時の牧野の中には、前妻への罪悪感も強くあったことが窺い知れた。
上手くいかなかったその結婚生活に、周りが思うよりもずっと、牧野は傷つき、思い悩んでいたのかもしれないと、そう思えた。
だからこそ、暗く淀んだ雰囲気に支配されないよう、明子は明るく振る舞った。
ホントだなと、牧野も明子の言葉に、頷き笑った。
「そういう意味じゃ、同類だったな、俺も」
「同類?」
「結婚したい病の原田たちとさ」
「あー。なるほど。確かに、病類として同じかもですね。インフルエンザのA型とB型くらいの違いはありそうですけど」
牧野の言葉をあっさりと肯定して、うんうんと頷く明子に「ひでえな、少しは否定しろよ」と、牧野は剥れて拗ねた。
「今は、よく帰るんですか? 実家のほうに」
「そうだな。花屋が忙しいときは、手伝いに行くし。今度の家は庭も広くてな。お袋殿がいろいろと植えてるんだよ。でも、親父殿と弟は、普段は仕事で忙しいから、庭木の剪定だのなんだのを頼まれるんだよ」
わざとらしいほどに、やれやれという口調で牧野はそう言うが、その声は頼られることを明らかに喜んでいた。
そんな牧野を、明子は羨ましそうに見つめた。
血のつながりなんか関係なく、牧野は父母と慕うその人たちと、親子になった。
弟と兄弟になった。
そこに至るまでは、決して簡単ではなかっただろう。
それでも、今、彼らは家族になっていた。
そんな牧野のことが、明子は羨ましくなった。
-いいな。
ぽつりと、明子は呟いた。
その言葉に、牧野は怪訝な顔をした。
訝しがっている牧野に、明子は苦笑しながら答えた。
「仲良くていいなって。私は、家族とうまくいってないから」
「そう、なんだ?」
少し意外そうな顔をして、聞きづらそうに牧野は問いかけてきた。
明子はことさら明るい声でそう言って、牧野を笑った。
軽い世間話のようなノリで、さらりと話してくれたが、その当時の牧野の中には、前妻への罪悪感も強くあったことが窺い知れた。
上手くいかなかったその結婚生活に、周りが思うよりもずっと、牧野は傷つき、思い悩んでいたのかもしれないと、そう思えた。
だからこそ、暗く淀んだ雰囲気に支配されないよう、明子は明るく振る舞った。
ホントだなと、牧野も明子の言葉に、頷き笑った。
「そういう意味じゃ、同類だったな、俺も」
「同類?」
「結婚したい病の原田たちとさ」
「あー。なるほど。確かに、病類として同じかもですね。インフルエンザのA型とB型くらいの違いはありそうですけど」
牧野の言葉をあっさりと肯定して、うんうんと頷く明子に「ひでえな、少しは否定しろよ」と、牧野は剥れて拗ねた。
「今は、よく帰るんですか? 実家のほうに」
「そうだな。花屋が忙しいときは、手伝いに行くし。今度の家は庭も広くてな。お袋殿がいろいろと植えてるんだよ。でも、親父殿と弟は、普段は仕事で忙しいから、庭木の剪定だのなんだのを頼まれるんだよ」
わざとらしいほどに、やれやれという口調で牧野はそう言うが、その声は頼られることを明らかに喜んでいた。
そんな牧野を、明子は羨ましそうに見つめた。
血のつながりなんか関係なく、牧野は父母と慕うその人たちと、親子になった。
弟と兄弟になった。
そこに至るまでは、決して簡単ではなかっただろう。
それでも、今、彼らは家族になっていた。
そんな牧野のことが、明子は羨ましくなった。
-いいな。
ぽつりと、明子は呟いた。
その言葉に、牧野は怪訝な顔をした。
訝しがっている牧野に、明子は苦笑しながら答えた。
「仲良くていいなって。私は、家族とうまくいってないから」
「そう、なんだ?」
少し意外そうな顔をして、聞きづらそうに牧野は問いかけてきた。