リスタート ~最後の恋を始めよう~ 【前編】
「でも、モテモテなのはホントだしなあ。やっぱり面倒かも」
「それほどモテてねえって」
そんなことはまったく自覚していないというようなその声に、明子は困った人だなあとまた苦笑を浮かべる。
「総務にも営業にも、牧野ファンクラブあるんですよ」
「そんなの、あいつらだって、お遊び感覚だろ」
「ヒドい。本気で牧野さん狙っている子、いっぱいいるのに」
「そんなこと言われてもよ、島野さんとかはモテるって言うんだろけど、俺の場合は単に人気があるってだけじゃね?」
外面いいからさ。
臆面もなくそう言いのける牧野に、自分でそれを言うのかと、明子は軽い目眩を覚えつつ、仕方ないかと考え直した。
臆面もなく、そういうことを自分で言えてしまうのが俺様牧野だ。
呆れるのも無駄と言うものだ。
「島野さんは、ちやほやされてるけどさ、俺はなあ、ちやほやされてねえだろ?」
明子の苦笑など気にもかけず、そう言葉を続けて、自分の言葉に自分でうんと頷く牧野に、明子は目をぱちくりと瞬かせた。
(ちやほやって。そもそも、どういう状態?)
なにをどうつっこんで反論すればいいのか、明子はその言葉が見つけらなかった。
「とりあえず、その論争はおいときましょう」
ため息混じりにやれやれという口振りでそう言う明子に、牧野は面白くなさそうに鼻を鳴らした。
「なんだよ。おいとくって」
「おいとくはおいとくですよ。そもそも、私と牧野さんでは、モテるの定義が違うようですから。結論に至るまで時間がかかります」
とても、五分一〇分で終わる話じゃありませんと牧野を説き伏せる明子に「判った。論争再開のときは、受けてたってやらあ」と、楽しそうにケケケと笑う牧野のきれいな顔に、明子はするりと手を伸ばし、その頬を忌々しそうに抓りあげて、ふんと鼻を鳴らした。
「それほどモテてねえって」
そんなことはまったく自覚していないというようなその声に、明子は困った人だなあとまた苦笑を浮かべる。
「総務にも営業にも、牧野ファンクラブあるんですよ」
「そんなの、あいつらだって、お遊び感覚だろ」
「ヒドい。本気で牧野さん狙っている子、いっぱいいるのに」
「そんなこと言われてもよ、島野さんとかはモテるって言うんだろけど、俺の場合は単に人気があるってだけじゃね?」
外面いいからさ。
臆面もなくそう言いのける牧野に、自分でそれを言うのかと、明子は軽い目眩を覚えつつ、仕方ないかと考え直した。
臆面もなく、そういうことを自分で言えてしまうのが俺様牧野だ。
呆れるのも無駄と言うものだ。
「島野さんは、ちやほやされてるけどさ、俺はなあ、ちやほやされてねえだろ?」
明子の苦笑など気にもかけず、そう言葉を続けて、自分の言葉に自分でうんと頷く牧野に、明子は目をぱちくりと瞬かせた。
(ちやほやって。そもそも、どういう状態?)
なにをどうつっこんで反論すればいいのか、明子はその言葉が見つけらなかった。
「とりあえず、その論争はおいときましょう」
ため息混じりにやれやれという口振りでそう言う明子に、牧野は面白くなさそうに鼻を鳴らした。
「なんだよ。おいとくって」
「おいとくはおいとくですよ。そもそも、私と牧野さんでは、モテるの定義が違うようですから。結論に至るまで時間がかかります」
とても、五分一〇分で終わる話じゃありませんと牧野を説き伏せる明子に「判った。論争再開のときは、受けてたってやらあ」と、楽しそうにケケケと笑う牧野のきれいな顔に、明子はするりと手を伸ばし、その頬を忌々しそうに抓りあげて、ふんと鼻を鳴らした。